「切腹ピストルズ」が和太鼓の集団とは知らなかったぜ!ピストルズは、やっぱパンクバンドの名前から?

映画「THE SEPPUKU PISTOLS」タイムズスクエアでの演奏は迫力!

第2回 シカゴ日本映画コレクティブ、ハイブリッド開催!今回、開催前に「THE SEPPUKU PISTOLS」という映画についてもレビューを書いてみた。

和太鼓パフォーマー「切腹ピストルズ」のライヴや暮らしぶりを追うドキュメンタリー。彼らの生き様が、やはり思ったとおりって感じなのが、ありがたい。それは一度、海外へ出て暮らしていたことのある人たちがメンバーだからこそ、日本の素晴らしさを再認識しているからだろう。

海外へ出ると、まず海外への憧れを捨てられるようになる。それは、海外に憧れて出てきた私個人の見解ではあるが。。。海外在住者の多くが「やっぱり老後は日本に帰りたい」って歳をとればとるほど思うようになるはず。それは日本が本当に素晴らしい国であり、素晴らしい文化、そして素晴らしい人情あふれる人たちに恵まれていることに気づいてしまうからだ。

切腹ピストルズのパワーあふれる演奏は、日本の人だけでなく、世界の人々を興奮させる。映画で観ているだけでも興奮したり泣けたりするくらいなのだから。ライヴに行けばきっと祭りを通り越して、彼らを拝んでしまうかもしれない。まるで、宗教のようなノリだ。

その証拠にニューヨークでのライヴは色々な人種の人たちがノリノリでまるでパンクのライヴ会場でやってるように、ピアスやタトゥーにモヒカンの兄さん姉さんらが、トランス状態なんじゃないの?って感じで踊りまくる。タイムズスクエアでのライヴも、切腹ピストルズのパワーがフル回転で、落ちてる甘いキャンディーにアリが集まるみたいに、ものすごい数の人だかりができていった。

唐突だが、私は、北九州で育っているため、幼少のころは夏になると※1.小倉祇園太鼓を聴いて育った。太鼓が好きすぎてニューヨークへ渡ってからは、エイジアン・マシュルームのドラマーしげちゃんのファンであり、尊敬している。自らもアフリカン・ドラムを習っていたことがある。師匠はデズというカリビアンの先生だった。

どのジャンルであれ、国であれ、太鼓の音が好きでたまらないのは今も変わらない。

だからか、和太鼓は、以前にニューヨークで九州からやってきた太鼓パフォーマーである野武士の演奏するステージを観に行ったことがあり、その迫力あるサウンドとパフォーマンスに興奮させられた。

野武士は、その名(山野にひそんでいて、落武者の武具をはぎ取る、武装農民集団)からすれば、九州の武装農民集団の奏でる太鼓、そして切腹ピストルズは、江戸の庶民が奏でる太鼓のようだ。

その証拠というわけではないが、衣装にしても、野武士は武具をつけたり、ときおり武装してるような和装で定位置に固定されている大きな太鼓を奏でる。メンバーは筋肉質な九州男児。切腹ピストルズはワラジをはいて、稲作や野良仕事をするときのような衣装で腹に抱えた太鼓を動き回りながら奏でる。メンバーは細身でしなやか。

和太鼓といっても色々な世界があって、音があって、ノリがあって、違うものなのだとわかった。そして、それぞれに迫力があることは確かで、和太鼓というものは、世界の人の心にも響くことのできる素敵な音なのだ。

あぁ〜日本に帰って、地元の九州へもどれば野武士の太鼓、江戸の村というものを切腹ピストルズがつくるのならば、そこへ訪れて切腹ピストルズの太鼓の演奏を拝聴したい。老後は、いろいろな和太鼓の聴ける場所をまわって、暮らしたいって思うほどである。

映画「切腹ピストルズ」はかなり長いドキュメンタリーなので演奏だけでなく、メンバーの生活も撮影されている。

ものを捨てずに修理して再利用し、大切に使うという日本人魂で、江戸時代の和を基調とした彼らの素朴なライフスタイルに憧れるし、和の住宅環境や衣類、工芸品の美しさにも魅せられる。

映画の終わり近く、アメリカからファンの男の子がメンバーの農業をお手伝いに来るシーンは、ぜったいに泣ける。私も切腹ピストルズのファンどころじゃなく、信者になりたいって思ったくらいだぜ。<敬称略 執筆 ベイリー弘恵>

※1.小倉祇園太鼓(こくらぎおんだいこ)は福岡県北九州市の小倉で400年近く続いている「国指定重要無形民俗文化財」に指定された。

シカゴ日本映画コレクティブ開催は今週末です!ぜひ皆さんもご視聴ください。

【シカゴ日本映画コレクティブのプレスリリースより抜粋】
開催:2022月5月21日(土)〜 30日(月)

今回の映画祭のテーマは「愛」。対面が限定されたコロナ時代、そして今現実に起きているウクライナでの戦争――多くの人が生きること、また人間同士の関わり合いについて深く考えた。どんな形であれども、我々人間に不可欠な愛を、その愛の在り方を、映画を通して伝えてくれる厳選された全14作品。

同映画祭では初の試みとなる劇場上映だが、スケジュールは、21日のオープニングに、日本でも公開前のドラマ『ジャパニーズ スタイル』(アベラヒデノブ監督)を、24日は、50作品目にして初のインディペンデント映画を制作した巨匠 堤幸彦監督と、シカゴの観客をズームでつなぎQ&Aディスカッションを含む『truth 〜姦しき弔いの果て〜』を、29日のクロージングでは、サプライズゲストを招いてのドキュメンタリー映画『切腹ピストルズ』(梅崎陽監督)の3日間(3作品)となる。

【関連URL】
●上映時間等の詳しい情報は→シカゴ日本映画コレクティブのサイトにて
●シカゴジャパンフィルムコレクティブ「ジャパニーズスタイル」

 

 

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