NYPDに勤める唯一の日本人女性

ニューヨーク市のために働くNYPDのポリスオフィサーガイ京美さんにインタビュー。

●NYPDに勤める唯一の日本人女性

京美さんはNYPDに勤める日本人女性。彼女によると日本人の男性でさえも、NYPDに勤務しているという話を聞いたことがないという。NYPDに勤めて2年。 ふだんは、同僚とともにマンハッタンの中をNYPDのユニフォームを着て拳銃を持ちパトロールをする。街の中に立っていることもあれば、ほとんどはポリス カーで回るのが勤務である。法にふれるような違反をしている人がいれば、切符をきったり、何か事件が起これば現場へ駆けつけるのだという。

●米軍に入ったきっかけ

校生の頃、ダンスが好きでたまらなかった。クラブで踊りたいからと高校を中退してまで関東に住む叔父をたよって東京へ出た。ダンススクールに行くわけでも なく、クラブへ通っては仲間と真剣に踊りまくった。六本木をはじめ、横須賀や横浜などアメリカの斬新なヒップホップがDJのクラブにも通った。

英会話は学生時代から好きで、学校の勉強以外に独学もした。特に重点を置いたのは発音だったという。テープレコーダーに自分の声を吹き込んで、発音を練習。次第に英会話もできるようになり、根岸の米軍基地で働くことになった。そこで夫となる米軍の男性に出会った。彼と結婚して98年にテキサスへ渡る。長女も生まれ安定して結婚生活をおくるはずだったが、2003年には離婚を決意した。シングルマザーとして生きるため仕事を探し始めたところ、偶然、米軍に募集があり応募したのだった。

弘恵:

米軍にいた日本人女性というのも、NYPD以上に珍しいと思うのですが、米軍に勤めようって思ったきっかけはなんだったのですか。

 

京美:

ダンスで身体を動かすのが好きだってことと同じように、身体を動かす仕事が好きだったことが、まず大きな理由です。

弘恵:

しかし米軍でなくても、肉体労働なら建設業とか、ほかにも色々ありますよね。

どうしてわざわざ戦地へ赴くような危険な仕事を選んだのですか。

京美:

※ブラックホーク・ダウンっていう映画が好きで、あこがれていたんです。ああいう風に戦地に行って仲間を救いたい、正義のために戦いたいっていう気持ちがあって。

※ブラックホーク・ダウン・・・モガディシュの戦闘(モガディシュのせんとう)に基づいた映画。1993年10月3日、ソマリアの首都モガディシュにおいてアメリカ合衆国軍とソマリア民兵とのあいだで戦闘が発生した。のちにアメリカが米軍兵を救うため、アメリカ最強特殊部隊を送り込みソマリア内戦介入から撤収するきっかけとなった。

●イラクで米軍として働きアメリカへ戻ってからうつ状態に

弘恵:

実際、米軍ではどんな任務についたのですか。

京美:

陸 軍に配属されイラク戦争へ行きました。病院にきた死傷者のインフォメーションを家族に伝えるという任務につきました。そのときは、ボスがきつい人で大変だ し苦手でしたが、今思えば、あれほどのデータを的確に詳細に伝えるということができたのは、ボスの指示がよかったからで、物凄く仕事のできる人だったんだ なぁ~って思います。

弘恵:

イラクでの任務が終わってアメリカへ戻ってどうでした?PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩む米兵も多いって聞きますが。

京美:

私の場合は、しばらく、うつ状態になりました。明るくていつも活発な自分が、何に対してもやる気を持てなくなって、育児と学校の往復という単調な生活を抜け殻のように続けていました。たまに涙がとまらなくなったりして、私は頭がおかしくなったんじゃないかって心配になったほどです。

米軍には専用のセラピストやカウンセラーがいて、私もセラピストに相談してみました。2回ほど面会しただけで回復したのですが。そこで説明されたのは、これまで朝5時から起きて訓練や仕事があり、夜遅くまで何かしらやることがあるという生活でしたが、急に開放されたことが原因だと言われました。何かしらやることがある内は、常に興奮状態にあり、脳内にアドレナリンが出続けているというのです、それを急にやめてしまうと、今度はアドレナリンが出なくなるという状況に陥るらしいです。その結果、何もやる気が起こらなくなる。

□NYPDはニューヨークへ行くための手段だった?

弘恵:

2回のセラピストとの面会で回復したとは、タフな精神力ですね。

京美:

明るくて前向きな性格なので。原因がわかったら自分は頭がおかしいわけじゃないのだってスッキリして。

弘恵:

NYPDに応募したきっかけはどのように。

京美:

2008年に米軍の求職サイトを何気なく見ていたら、NYPD募集の求人があって、「せっかくアメリカにいるんだからニューヨークに行くしかない!って、テストを受けてみることにしました。

弘恵:

ニューヨークって他の州の警官でさえ怖いって言ったりしますが、怖くなかったですか。

京美:

イラクに行った後だったので、もう何も怖いものはありませんでした(笑)。警官を実際にやってみて、ラジオ(無線)から、現場へ行くよう指示があると、どんな事件が起こったのだろうってワクワクするんです。

弘恵:

きっと事件を怖がるような人だと、警官になろうって思わないでしょうし、続かないでしょうね。怖い目にあったりはしないのですか。

京美:

幸い、まだ怖い目にあったことはありません。クィーンズで夜のパトロールの担当になったこともありますが、そのときも大丈夫でした。今は、子供がいるので昼間の勤務の希望をいつも出していて、そうしてもらってます。

●殺人現場へ行くことはないのか。

弘恵:

私のイメージでは殺人現場とかってドラマのCSIの影響で、かなり気持ち悪そうな印象を受けますが、どうですか。

京美:

そうですね、私も殺人現場は「ものすごい臭いがする」とか、うわさに聞いてるし、気持ち悪いから躊躇しますが。それにも幸いなことに一度だけ遭遇しただけで滅多に現場へ行くことはありません。

弘恵:

現場で危険な目にあうことはありませんか。

京美:

警官は、事件が起こってから現場へ行くよう指示があるので、事件後に到着することがほとんどです。だから逆にもっと自分は私服警官として、事件を追うような仕事に就きたいくらいです。まだ働き始めて2年なので、数年の経験をつんでから試験を受けてみるつもりです。

弘恵:

警官という仕事は大変でしょうが、京美さんのような正義感のある方がニューヨークにいる人々の安全を守ってくれているのだと知ることができました。インタビューできてよかったです。

京美:

娘 といる時間が限られるので、辞めようかなと思ったこともありましたが、当の娘から、「私が警官でいるほうが安心して暮らせるので、警官でいてほしい」って 希望されました。きっとパトロールしている仲間に声をかけられたりしていて、娘のことを知っているので、常に警官に守られているって気持ちになるのでしょ うね。なので、これからも警官を続けていくつもりです。<取材・執筆 弘恵ベイリー>

 【ガイ京美さんプロフィール】

三重県生まれ。結婚し渡米後にテキサス州で高卒の学歴をとった後、コミュニティーカレッジを卒業。2003年よりアメリカ陸軍でイラクに派遣された。2008年1月よりNYPDで警察官としてニューヨーク市のパトロール勤務をしている。

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5件のコメント

  1. 初めてメールします🙇山口県に住んでいます。今DVDのCSI:NYに娘共々ハマってまして、NYPDのDは何で?と思ってイロイロと検索してみたら京美さんの事を知りました😃私は26年前に主人を亡くして娘と実家で暮らしてます😰だけど京美さんは本当にスゴイなと思ってメールしました。私はパソコンは本当に苦手でシックハックしてやっと出来ました😭また時間を見つけてメールかまいませんか?今日本は夜中の11時半です。お休みなさい

    • 吉村さんメールというよりコメントになってますが、大丈夫ですか?京美さんにメール転送しておきますね。メールアドレスわかると、本人から返信がくるかもしれません。

  2. こんばんわ🙇まだ承認待ちの段階なのでしょうか🙇かなり時間がかかるものなのですね😱くびを長くして待ってます🙇京美さんとメール友達になったら本当にうれしいです😃よろしくお願いします🙏

    • 今晩わ😃私のメールアドレスちゃんと届いていますか😱海外の人とメル友になりたくて頑張って見たのですが、まだ承認待ちの段階なのでしょうか😭ガイ京美さんと友達になりたくて😂宜しくお願いします🙇

  3. こんにちは。たまたま、ガイ京美さんの記事を読んで非常に感銘し、興味を持ったため調べてこちらも読ませて頂きました。私は今大学で語学を専攻しており、小さい頃から将来海外で仕事をするのが夢でしたが、最近いろいろな国を実際に訪れたりしているうちに自分の実力なども痛感し将来やってけないな、などとへこんでおりました。しかし、今回京美さんのことを知り、元気づけられました。私なりにこれからも頑張っていこうと思いました!

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