インドでホームレスの子供たちを救う元ウォールストリートのバンカー

banner_homeインドでNPO(non profit organization)活動Operation ShantiをしているTracy Kunichikaがニューヨークで10月9日にチャリティーイベントを行った。

チェルシーのGeorge Billis ギャラリーを貸切。もちろんここのオーナーがチャリティーとして提供してくれている。

ハーバード大学を出てウォールストリートでバンカーとして働いていた彼女が、なぜ2005年にNPOを立ち上げ、インドで家のない子供たちを預かるホームを運営することになったの?って、これまでトレーシーの活動を知っていたものの不思議に思っていた。今回そのなぞが解けた。

来場している人たちの中にヨガの先生がいたのだ。スタイルのいい40代後半くらいの美しい白人女性で、フィラデルフィアから来ているという。彼女になぜ今日のチャリティーに来たのか聞いてみた。

「私はヨガの先生をやっているのだけど、インドへヨガの勉強に行ったときトレーシーに知り合ったの。まさか彼女がインドに残って、子供たちの世話をするとは思わなかった」

「私はそもそも、アメリカ人のヨガのインストラクターが、実際にインドへヨガのトレーニングに行ったりするなんて知らなかったわ。アメリカでだけ学んでるのだとばかり思ってた」私はさらに質問した。

「そうなのよ。たくさんのアメリカ人がヨガをもっと深く勉強するためにインドへ行くのよ。トレーシーもかなりヨガにはまっていて、インドまで来ていたの」

トレーシーがその後、みんなの前で話していた中で、彼女がインドに住み始めた理由があった。

ストリートで女の子が嘔吐していて、その子は、次の日もまた同じ場所にいたという。そこで女の子には帰る家がないのだと知った。トレーシーは、最初そうした家のない子供たちに小遣いをあげたりしていたが、後に、子供たちには安心して暮らせる家が必要だと強く思い、ホームをつくるに至った。ホームには、ストリートで暮らす親が、「子供だけでも預かってほしい」とやってくるケースも多いという。

会場では、トレーシーがお世話をしているインドの子供たちの写真がスライドショーでスクリーンに映し出されていた。どの子も幸せそうなキラキラした笑顔。家がなかったり、親がいない子にはまったく見えない明るい表情の子ばかり。

「トレーシーがこの子たちを大事に育てているからなのね」と、トレーシーの素晴らしい行動に心が温かくなった。第一線で働いていたバンカーが、その暮らしを捨て、インドで47人もの子供を育てることはたやすいことではないだろう。しかしトレーシーは、それを当たり前のようにやってのけた。

彼女は、黒いシャツを着て黒いパンツをはいており、まったく飾り気がない。ほかのスタッフの話によると、ニューヨークへ来るのにも、小さなバッグ一つでスーツケースさえ持って来なかったのだとか。ただただ子供たちのために一生懸命にチャリティーを行い、自らが子供たちを育て、子供たちの暮らしを支えている。

彼女のようにインドへ行って子供たちのお世話をすることはできないかもしれないが、少なからず私たちにも何かができるのかもしれない。私にはこうして記事を書くことくらいしかできないが、この記事を少しでも多くの人が読んでくれてトレーシーの活動を知ってもらえるといいなと思っている。

【関連URL】
Operation Shantiの公式サイト

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