踊ることは母が生きた証。アマゾンプライム人気番組「マスクドシンガー」に出演!ユニクロなどのCMにも!振付師・ダンサー、高司涼太(Ryota Takaji)さん

高司涼太(たかじ りょうた)Ryota Takaji Instagram YouTube
大阪出身 LA→東京→大阪在住
振付師・ダンサー

5歳 ダンスを始める
HAISAI 2010 全国決勝大会 優勝
ALL JAPAN SUPER KIDS DANCE CONTEST West Side 2009 優勝
ALL JAPAN SUPER KIDS DANCE CONTEST 2009 FINAL 特別賞受賞
Dance Attack!! Tokyo 2010 3位
2016年 ダンス留学 ロサンゼルスへ
2019年 ”Monsters of hip hop”にて”The Monsters show” のキャストに選ばれる
帰国しきゃりーぱみゅぱみゅ、MISIA等有名アーティストのツアーに参加
MV出演 MISIA「Higher Love」きゃりーぱみゅぱみゅ 「かまいたち」STEREO DIVE FOUNDATION「TRISTAR」などに出演
Amazon Primeの人気番組「マスクドシンガー」にダンサー、振付師として出演
TOKYO 2020 パラリンピックの閉会式に出演
CMに出演(Docomo・ユニクロ・タマホーム等)

しゃけ:
涼太さん、今は日本にお住まいですか?

涼太さん:
はい。ここ2〜3年は日本を拠点に活動していますが、今後はLAに戻って活動することを考えています。やはりロサンゼルスは世界のエンターテインメントの中心地で、一番人々の注目も集まっている場所だと思います。

しゃけ:
ロサンゼルスは特にダンサーさんたちに人気の街ですね。ダンスを始めたきっかけから教えていただけますか?

涼太さん:
母がバレリーナだったこともあり、5歳くらいの時に母の知人のダンススタジオの発表会に連れて行ってもらったのがきっかけです。自分では覚えていないのですが、家でもよくテレビの前で踊っていたらしく、母が全力で自分のダンスをサポートしてくれました。

小中学生のころからアメリカのダンサーたちのYouTubeを見ていたので、2014年(高校卒業後)に1か月半ほど短期でロサンゼルスに行きました。その時に「次はもっと長く居たい」と思い、2016年から3年間、語学留学を兼ねてダンス留学でロサンゼルスに行きました。

しゃけ:
小学生のころからYouTube世代なのですね。
留学してよかったこと、つらかったことなどを教えていただきたいです。

涼太さん:
良かったことは英語を話せるようになったことと友達が増えたことです。今でも連絡を取り合ったり会いに遊びに行ったりする友達が世界中にできました。

つらかったのは、人と自分を比べて落ち込んだりすることが重なった時期ですね。友達と一緒にオーディションに行ったのに自分だけ落ちてしまうことが何度も続いた時があって、自分の中でのバランスを見つけるまではすごく思い悩んだ記憶があります。

あと、留学生活中に人生の大きなターニングポイントとなったのが、母が亡くなったことです。闘病生活が9年ほど続いていたので心の準備はしていたつもりでしたが、やはりいざ現実になった時の衝撃や悲しさはとても大きかったです。自分のダンスをずっと応援してくれていて、時には厳しいことも言われましたが、一番の理解者だったのでまさに心に穴が空いたような心境でした。でもこの経験があったからこそ頑張れたことがたくさんあったので、”Everything happens for a reason”という言葉の意味を身をもって学びました。

しゃけ:
それはそれは・・・。乗り越えられましたか?

涼太さん:
母が亡くなって、ダンスに対する気持ちが一切湧かなくなってしまって・・・全く踊れなくなりました。でもここまで続けてきたのにこのまま辞めるのもなぁと思っていた時に、「The Monsters show」のオーディションがLAの近くで開催されるのを知りました。

このショーは毎年夏に開催されます。2000人以上の挑戦者の中から、16人だけが出演できるというとても厳しい関門です。ここで結果が出せなかったら、そういう運命だと思ってキッパリ辞めて日本に帰ろうという覚悟でチャレンジしたのですが、あと一歩のところで結果には届かなかったんです。それがもう悔しくて悔しくて、「こんなにも悔しいって思えるなら自分はまだ踊れる!ここでやめられない!」と火がつきました。

選ばれるまで何年かかってでもチャレンジし続けよう!と決意してから4回ほどアメリカ各地を飛び回ってチャレンジしましたが落ちましたね。でも、ついに、2019年に16人の中にはいることができたんです!日本人は自分一人でした。本当に嬉しくて自然と涙がこぼれ落ちてきました。その時初めて母の死を少し受け入れられたような気がしました。

自分のダンスを見ることをすごく楽しみにしてくれていた母ですが、自分が実際にダンサーとして色々なお仕事をさせて頂き始める前に亡くなってしまったので、母と共に目指して来た姿を直接見てもらえないことはいつもすごく残念に思います。
その代わり、オーディションなどの大事な局面の前は母の写真に手を合わせてから家を出たり、大きな舞台に立つ前に集中している時は母のことを必ず思い出すようにしています。
不思議ですが、生前よりも亡くなってからの方が母と共に歩んでいるという実感が強くなった気がしていて、今の自分にとって踊ることは、母が生きた証そのものだと思っています。

しゃけ:
うんうん。涼太さんのダンスはお母さまが生きた証なんですね。かっこいいです!

「The Monsters show」について詳しく教えていただけたら嬉しいです。

涼太さん:
第一線のエンターテインメントシーンで活躍されている方々の多くがこのショーの元出演者なので、「The Monsters show」のキャストに選ばれることはすごく名誉なことです。

ショー作りのプロセスもまたとても厳しいものでした。1時間半ほどのショーを2週間で作り上げるのですが(通常であれば最低でも1〜2ヶ月かける内容)、キャストも基本は16人しかいないのでほとんど休む暇が無いんです。

リハーサルも2週間ぶっ通しで、朝の8時から深夜の2時まで食事以外の休憩なし。そしてまた朝8時に集合という過酷なスケジュールもありました。濃い時間を共にしたメンバー達とは本当の家族のような存在になりました。

ショーが終わった後、長らくの目標が叶った反動で燃え尽きてしまわないか少し不安だったのですが、リハーサルや本番の経験を通して自分の未熟さを痛感させられ、逆にもっともっとダンスへの想いが強くなりました。このイベントには心から感謝しているし、特別な思い入れがあります。

しゃけ:
アマゾンプライムの「マスクドシンガー」のお仕事についても詳しく教えていただけますか?

涼太さん:
「マスクドシンガー」はとても濃密な経験で、挑戦の連続でした。全エピソードに出演させて頂いてるのですがアーティストさんの顔が全く出ていないので、通常のテレビの音楽番組等よりもダンサーにフォーカスを当てたカメラ割りがすごく多かったと思います。

特に自分は2人や4人などのグループで踊る曲を多く担当したので、それぞれのキャラクターの世界観をどうやって表現するか試行錯誤でした。完全に新しいことだったので学びの連続でしたね。スタッフの皆さんがすごく仲良くしてくださって、良い思い出がたくさんできました。

しゃけ:
他にも思い出深いお仕事を教えていただけたら嬉しいです。

涼太さん:
STEREO DIVE FOUNDATIONさんの「TRISTAR」というミュージックビデオが思い出深いです。人間の「過去・現在・未来」をダンスで表現している作品なのですが、「アーティストさん本人の未来役」という大事な役割を担当させて頂きました。

1カット×3回と、カット数が非常に少ない作品で、カメラとのタイミングや距離感の兼ね合いがとても難しかったです。ダンサーをこんなにフィーチャーして頂けるミュージックビデオは珍しいのでとても光栄でした。

しゃけ:
↓こちらのミュージックビデオの中で赤い服のダンサーさんが涼太さんです。


テレビ番組、ミュージックビデオ、CM出演と、大活躍ですね。でもライブステージの気持ち良さはまた格別なんですか?

涼太さん:
はい。一番幸せを感じるのはやはりステージに立ってお客さんの前でパフォーマンスする時ですね。幼少期からコンテストなどでずっと舞台に立っていますが、大人になってパフォーマンスをお仕事としてやらせてもらう時の感覚は本当に言葉にできないほどの幸せを感じます。本気で「自分はこれをするために生まれてきたんだ!」って思います。

悩みもありますけどね。どのジャンルのダンスもある程度は見てすぐにコピーできることが自分の強みだと思ってやってきたのに、今は逆にそれが裏目に出て、器用貧乏のようになってしまっているような。ジャンルではなく、この人のダンスが好き、この人の振り付けが好き、という目で見ることが多いです。好きな物とそうでない物の差は割とハッキリしていると思います。

しゃけ:
なるほど。ダンサーとして働く時に、日本とアメリカの違いは感じますか?

涼太さん:
日本に帰って来たタイミングとコロナ禍に突入したタイミングがほぼ同時期で、順調に決まっていたお仕事が立て続けにキャンセルになってしまいました。そこから半年以上全く仕事のない時期を経て、2021年に入ってから少しずつオファーが増えました。

日本はオーディションが少なく、知り合いからの紹介でお仕事を頂くことがほとんどで、安定してお仕事をもらい続けるのがとても難しいです。アメリカとは違い、ダンサー用のエージェントもないので、SNSでセルフプロモーションして連絡や交渉などのマネジメント業務も全て自分でこなさなければいけません。相手に失礼のない敬語の知識や、最低限のビジネスマナー・スキルなども必要だと思います。自分の長年の課題はSNSですね。もっと上手く活用できるようになりたいです(笑)

しゃけ:
YouTubeInstagram、フォローさせていただきました。今後の出演予定を教えてください。

涼太さん:
現在アメリカからオファーをいただいているお仕事があります。2019年に新しくオープンしたスタジオのプロモーション活動の主要メンバーとして、ビデオの撮影や舞台での公演予定があります。

YouTubeで人気な有名コレオグラファーのシリーズ作品にレギュラー出演メンバーとしてお誘いを頂いています。どちらもまだ公式に発表されていないものなので詳しくはお話できないのですが、どんなプロジェクトになるか今からとても楽しみです。

今後はLAを拠点に、世界中のたくさんの人に自分のことを知ってもらって、夢や希望を与えられるようなアーティストになりたいです。日本のダンサーを育成するようなことも将来的には出来たらいいなと思っています。すでにいろいろな国のダンスシーンを見て学んだことや感じたことはたくさんありますし、これから経験することもどんどん下の世代に惜しみなく伝えていって、日本のダンスシーンをもっと良くしていく存在になりたいです。

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