夢は日本にブロードウェイをつくる!〜俳優 小野功司

ニューヨークに戻ってきたきっかけは、20歳のときにブロードウェイミュージカルのシカゴを観て、自分もこの舞台に立とうと思ったことからだ。大学では法律を勉強し英語もできる自信はあったが、演劇の経験もないまま最初からアメリカでというのは、さすがに考えられなかった。まずは日本でダンスや演劇をがんばるため劇団四季に入った。

「劇団四季に入って11年は楽しかったし、もちろん今でもつながっています。37歳になったとき、演劇はもともとブロードウェイでやりたいからはじめたのに、このまま日本だけで終わっていいのか?というのが、最大のもやもやしていたところでした。

一回ちょっと行動を起こして、自分から動けば何かが一気にかわるって思ったのです。今年の2月にヨーロッパをまわったとき、ハリウッドスターの出る映画のオーディションをやっていたので受けました。英語ができて3週間セルビアに行ける人というのが条件で、ラッキーだったんですけどうかったんです」

実際にセルビアで撮影したハリウッドスターたちとのアクションシーンは、打ち合わせから、かなり真剣だった。気合が入りすぎているためか、棒切れが折れて何度もNGがでたのだとか。

「ニューヨークでは演劇学校へ通ったり、発声のトレーニングをしながら、3週間が過ぎました。ニューヨークって愛にあふれてるし、エネルギーがあふれています。演劇も、日本ではスキルやテクニックを磨くことこそが大切だったのですが、ニューヨークではテクニックを磨くことももちろん大事ですが、それ以上にエネルギーが大事というか、上手いか下手かよりも自分らしく輝いていて素敵かどうかが問われるのかなと感じています。

だからこそ、自分のもつエネルギーを出していかないと何も始まらないって思います。レッスンではもちろん、徹底的にエネルギーを出してますし、プライベートでは、エネルギーを蓄えるため徹底的に人に会いにいってます」

昨年12月終わりからベトナムで2週間ボランティアをしていたとき、人生は自己実現と社会貢献しかないのだと実感したのだという。

「孤児院で英語を教えるプログラムだったのですが、その孤児院の子供たちの中には、戦争の影響で障害をもつ子もいました。子供たちにダンスや英語を教えたり、遊んだりはもちろん、ご飯を食べさせてあげたり、オムツをかえたりするのもお手伝いしました。子供たちにそうしているうちに、人に何かをしてあげるという行為が、自分に幸福感を与えてくれるのだと気づいたんです。

加えて、ヨーロッパやアメリカいろいろな国からボランティアで来ている人たちがいて国際交流の場でもありました。そこで自分が実現したいことは何か?というのが明確になったのですが、英語でミュージカルをやって、次に来るときには、この子たちに無料で演劇を観せてあげることで、貢献できればいいなって思ったんです」

ルックスはいいし、勉強もスポーツもできる誰からも好かれるタイプ。いったい彼はどんな風に育ってきたのだろう?

「家族からの愛をたくさんうけて育ってきてるからか、人のことを嫌いになったことがありません。だから人にも愛を与えられるといいなと。人を助けて笑顔にしてあげたいって思ったから法律を学びましたが、法律で人を笑顔にはしてあげられませんでした。母も祖父も教師なので、自分にはもともと教育者の血が流れてるんです。演劇をやっている者としてだけでなく、教育者としても、子供たちへ、世界にでたら楽しいのだということを教えてあげたいんです。

そのためにはまず英語ができることが必要で、英語ができるということだけで、たとえば日本の1億人から80億人のコミュニケーションに広がるんだ、楽しいんだっていうことを伝えたいんです。

そうしたメッセージを子供たちに伝える手段としては、ミュージカルが一番です。歌やダンス、パフォーマンスで、友情、団結、愛、仲間、努力、冒険などを描き、子供たちに興味をもってもらえます」

将来の夢は日本の演劇をアメリカにもってくることだという。

「ニューヨークに来て実感したのは、自分がこれだけ英語を勉強していても、演劇学校でアメリカ人と演劇をやるときには、緊張しているし、言葉がでてこないことがあります。それでも、演劇を通してなら、セリフが決まってるわけですから、もっと日本人は英語を話せるようになるって思うんです。

日本って、本当に素晴らしい国です。人は皆やさしいし、ご飯はおいしいし。そんな日本の素晴らしさを世界に伝えたい。日本の演劇を通して、日本のよさを世界にもっと広げたいという思いがあります。そのためには、まず演劇の会社をつくって、日本の演劇を英語にして、アメリカにもってきたいです。さらにヨーロッパや世界に広げていって、日本にもアジアの演劇のハブ(拠点)となるブロードウェイをつくりたいです。世界に向けてちゃんと努力をしていれば、絶対になんとかなるって思っています」

日本の演劇をブロードウェイで上演する夢に私も深く賛同した。ニューヨークで日本の演劇が上演される日は、すぐそこだ!<敬称略:取材・執筆 ベイリー弘恵>

【プロフィール】
小野功司(おのこうじ)
神奈川県出身。2005年に早稲田大学卒業後アメリカへ留学。帰国後、1年間演劇スクールに通い、東京ディズニーランドでダンサーとして1年間の経験をつみ、劇団四季に入団。「人間になりたがった猫」「アイーダ」「ライオンキング」ほか11年間さまざまな舞台で活躍。2018年12月末から2週間ベトナムでボランティア活動後、2019年2月よりヨーロッパをまわり、4月よりニューヨーク在住。

 

 

 

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