今、METで蝶々夫人を観ておくべき理由とは?

蝶々夫人をメトロポリタン・オペラで娘たちと観賞。オペラ初心者だったので、いろいろとわからないことだらけだった。
チケットは、1階の最後列だとさすがに安いけど、舞台が3分の2くらいの片側しか見れない3階のボックス席のほうが、2階の正面席より安いっていうのも知らなかったし。調査のおかげで、ボックス席で観賞できたっす。

「マスクをしてください」って注意書きだけ書いてるって思ってた、自分の目の前にある電光表示板が、翻訳機になるのも知らなかった。そのせいで、ピンカートンが日本へ行って蝶々夫人と結婚するまでの経緯がまったくわからなかったっす。

エリカがイタリア語を高校で専攻してたおかげで、幕間に、「あのときに皆が笑ったのは、ピンカートンの相手をする蝶々夫人がまだ15歳って言ったからなのよ」「え?マジ???」

主役の蝶々夫人を演じたPatricia Racetteさんは、完璧。ピンカートンを待ち続けるシーンで「ある晴れた日に」の聞き慣れた音楽。まるで情景が浮かんでくるようだった。ここで美しい歌声そしてオーケストラの素晴らしい演奏で、まず感動に涙がとまらんかった。

そして鈴木を演じたMaria Zifchakさんが、ハンパない演技力。3年も帰りを信じて待ち続けた蝶々夫人に、真実を告げなければならない立場へ追い込まれたシーン。そのやるせない演技に泣いた。彼女の歌声もとても素晴らしかった。

だからか、スタンディングオベーションは、メインキャストの半分はかっさらっていった。

人形浄瑠璃文楽を採り入れ、人形が出てきたのもユニークだった。黒子が人形を動かしているし。ボンボリを数人の黒子が抱えて動いたり止まったりしてる中、蝶々夫人とピンカートンが星の話をしたりする。

まるで日本古来の舞台を観ているように、黒子の数がハンパなかった。黒子もキャストとしてちゃんと最後に出てきて挨拶して、拍手をもらうところが、さすがアメリカ。ってか、それは日本でも出てくるか。。。

とはいえ、黒子のおかげで、自分でお笑いのネタをつくってしまって。笑いをこらえるのに苦労した。。。「坊や、いくつなの?」って蝶々夫人の息子(人形)に聞いてるシーンのときに、これで黒子が突然、立ち上がって大声で「3歳」って言ったら、めっちゃ笑うよね。。。とか。

人形だから結局はぐらかしてるシーンを、こうすれば面白いって、M-1ネタ出しレベルで想像してしまった。

アヤは、「なぜあの男の子の人形はハゲだったの?人形が不気味だった」といった。たしかに目はすべて真っ黒で、ハゲはアリえんだろう。とはいえ、「遠くから観ても、わかりやすい形におさまったんじゃない?」というのが、私の回答。

髪の毛とかあると、女の子なのかとか、どっちなのか遠くからだとわかりにくい。ハゲなら男しかアリえんだろうしね。(すみません、ステレオタイプで。女の子がハゲでも、まったくもって普通です。)

なにより娘たちを半ば強引にオペラに連れてったんだけど、案外、楽しんでくれたのでよかった。「エリカたちを教えてるブラスバンドの先生は、オーケストラボックスで、ファントム・オブ・ザ・オペラの演奏をしてたらしいよ。それってオペラかな?」っていうので、「それはオペラって名前がついてるけど、ミュージカルの方だね」と教えてあげた。

ニューヨークにいると、世界のトップクラスの人の演奏家の演奏を聴けるだけじゃなくて、そういう人たちが先生になってるので、普通に教えてもらえるのもありがたいって思う。

前にNY出身のコメディアン、ルイ・C・K (Louis C.K.)も娘に同じことを言っていたことを思い出した。「ニューヨークにいるからこそ、ミュージカルもトップクラスのものが観れる」ってか同い年だったのか。。。だから、いろいろな面で共感できてるわけだね。

ようやく私も、某NYの老舗レストランの女将だった方が、いつも上等な和服を身につけてオペラへ行っていた意味がわかる年齢になった。こんなに素敵な観劇をしていたのだと感動に震えた。

そして、リアルに日本人の香さんがMETで演じていたというのにも、改めて感動。イタリア語で歌うオペラをアメリカで演じる日本人。ハンパないっす。https://ny1page.com/2013/01/20/kiku01202013/

ローカルNY日系新聞にて、香さんに取材できてる自分自身、私もスゴイって感動(そのときは、その香さんの凄さに気づかず。。。なので今になって自慢!私はそもそも厚顔無恥ってやつですね)。https://www.purchase.edu/live/profiles/245-kaori-sato

「鈴木の役は絶対に日本人だと思ってた。メイクの技術がハンパなくスゴイ!」というアヤの意見。とにかく、NY在住の人は観ておいたほうがいいっす。パンデミックに負けるな!ニューヨーカー。

途中で写真撮影しようとしたら、「マナー違反だからお母さん、それはやめて」とエリカに言われた。「でも、私、一応ジャーナリストなんだけど・・・」と言いながらも、今日はプレスで来てるわけじゃにし(文字でさえカムか)。無論、携帯やカメラを舞台に向けている人などいやしない。

なので、最後の舞台挨拶だけの写真にて。中央が黒子さんと人形っす。

あと、もう一つだけ思ったのは、15歳の蝶々夫人とピンカートンが結婚したという設定が、あまりにも児童虐待な内容なので、そのうち上演禁止になる日が来ないとも限らない。今のうちに観ておいたほうがよい。

アメリカでは、ゲイのペンギンのカップルが子供を育てたっていう内容の絵本さえ、BANされてるらしい。

https://www.metopera.org/…/2021-22…/madama-butterfly/

 

 

 

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