社会で弱くさせられている人たちの小さな声を拾い、拡声器になって世界に広めたい!ライター正木伸城(Nobushiro Masaki)さん

正木伸城(Nobushiro Masaki)
1981年 東京生まれ 横浜市在住
サラリーマンライター
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少年期 アートに興味を持つ 絵を描くのが好き 数学少年
大学時代 宇宙物理学を学ぶ 人工衛星を作るプロジェクトに参加
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に入ろうと思っていた 
21歳 ブログ執筆を始める(本は読まないが書くことは好きだった)
尊敬する先輩に「500冊本を読め」と言われ一年半で534冊を読み切る
22歳 (おそらく)執筆力が買われ、新聞社からオファーをいただく
4回目のオファーで承諾し、新聞社に入社
23歳 うつ病を発症 約3か月間、精神病棟に入院
計3年間、自宅で引きこもる 五感が壊れるなどの心身にわたる不調を体験
36歳~ 転職3回
現在 人材ビジネス大手にて広報の仕事をする傍ら、4本の連載記事を執筆中
今日(2021年7月16日現在)15,253冊目の本を読んでいる

しゃけ:
1万5千冊の本を読んでいる・・・ちょっと想像ができないんですが。

伸城さん:
でも実は、小さいころから本が好きだったわけじゃなくて、昔はアートとか漫画とか、とにかく絵を描くのが好きでしたし、数学少年でした。数学はちゃんと正解があるじゃないですか。解ける楽しさがあるんですけど、文学については「小説って何?いろんな読み方ができて正解がないじゃん。」みたいな印象を抱いていましたね。文字を見るだけで吐き気すらしていました。

しゃけ:
私は数字を見ていると吐き気がします。正解のない世界が大好きなので。
今は本を楽しんで読んでいらっしゃるのですよね?吐き気を我慢しながら?(笑)

伸城さん:
最初の500冊は努力して読みました。大学で尊敬する先輩がいて「こういう人になりたいな」と思っていたんですけど、どうしたら先輩のようになれますか?と聞いたところ、「まずは500冊本を読んだらいい」と言われたんです。その時卒業まであと500日というところだったので、一日一冊読めばいいのかと単純に考えて、一日中本を片手に生活し始めました。最初に読んだのは、漫画「バカボンド」の原作で吉川英治の『宮本武蔵』(全八巻)です。バスでも電車でもどこでも読んで卒業までに534冊を読みました。修行みたいな気分で、「何冊読んだか?」というのがモチベーションでしたね。

しゃけ:
!!すごい!!突然文学青年になったのですね?
ブログを書き始めたのもそのころですか?

伸城さん:
ブログは本を読み始める前後から書き始めました。内容は時事評論ネタです。文章は全く読まないのに、文章を書くことはできたんですよね。ただ、大学で勉強していたのは微分積分にフーリエ解析とか。宇宙物理を特に学んで、人工衛星を作るプロジェクトにも参画していました。もちろん衛星を動かすプログラミングをしたり、軌道計算もしていましたね。そのころの同期がいまJAXAで働いています。

僕もJAXAに入るつもりでいたんですけど、ブログが全国でも目立つほど読まれていていたためか、ある日新聞社からオファーが来たんです。3回断ったんですが4回目にOKしました。

ところが・・・

新卒で入って数カ月でうつ病になってしまいました。なにがきっかけというのもなかったんですけど、動悸や息切れ、パニック症状が始まって、内科をぐるーっと回り切った後に何も原因が見当たらないので、「心因性かもね」となって心療内科に行きました。それで、入院も経験。「俺の人生終わったな」ってなりました。

しゃけ:
!!きっかけなしですか??

伸城さん:
きっかけがないし、暗中模索です。生きる意味がない、と落ち込みましたね。
家庭環境も特殊でいろんなことがあって、うまく家族に頼れなかったことも災いしたと思います。自分で言うのも変ですが、僕の活躍ってなんでも結構目立ってしまうところがあったので、傲慢にはなっていました。なんなら「俺、最強。俺にできないことはない」くらいの強気の性格だったんです。なのに、突然ふさぎ込んだんですね。約3か月の精神病棟での入院生活では、図書館でちょっと本を読んでは寝る、みたいな生活をしました。携帯は没収されるので、外部とのやり取りも思うようにできなくて。

自宅でも計3年ほど引きこもりました。五感が壊れていたのを鮮明に覚えています。光と音に耐えられなくてカーテンとガムテープで光をふさいで、昼間を真っ暗闇で過ごしました。その間は本も読めなかったですね。

自分自身が誰からも必要とされていないという「感じ」がとにかく怖かったです。職場で必要とされなくなったかもしれないというプレッシャーもそうですし、周りの友だちが出世していったり、「あいつ終わったよね」って僕について言う人もいたそうです。そういう情報を見聞きしては、落ち込みました。

しゃけ:
そこからどうやって復活したのですか?

伸城さん:
まず、光に耐えられるようになってきたので久しぶりに部屋に光を取り込み、鏡を見ました。そしたら髭ぼうぼうで髪の毛が伸び放題であることに気が付いたんです。まず髭を剃りました。やがて、徐々にテレビが見られるようなり、友人がわざわざ持ってきてくれた映画を鑑賞できるようにもなったりして。そのころ—今でも覚えていますが—プレステ2とドラクエを「クリアするまで死ぬなよ」ってポーンって置きに来てくれた友だちもいて、ゲームができるようになりました。

少しずつですが、回復のきざしが見えてきて。大好きな本も、やがて、恐る恐るですけど、手に取れるようになりました。やっと一行読めた時は涙が出ましたね。一行しか読めないのに、ですよ(笑)次の日は二行読めて、その次の日は一ページ読めて・・・という感じの作業を繰り返すなかで、少しずつ自信を取り戻していきました。もうこの瞬間は、誰かと自分を比較する感覚は抜け落ちていました。比較した瞬間、「この程度しかできない俺」が前景化してくるので、昨日の自分より今日の自分の方が成長したと思ったらそれを喜びにしようと決めて、日々の喜びをかみしめるようになっていました。

しゃけ:
すごい!!
あれ?伸城さんご結婚されていましたよね?

伸城さん:
僕の人生、友人の支えなしには語れないのですが、これまた友人の紹介で、結婚できました。うつ病だということを理解してくれる女性がいたんです。

しゃけ:
わー。全てご友人が運んできてくれるって・・・ある意味恵まれているというか。ラッキーというか。

伸城さん:
そうなんですよ。ある程度元気になってからは、精神疾患の人たちに向けて、ウェブで相談室を開いたりしました。新聞社の次の就職先は、実はその相談室に来ていた患者さんが持ってきてくれた話だったんです。「文章を書ける人を探している人が親戚にいるんですけど、紹介しましょうか」って。「まさか」という話ですが、相談室の相談相手が僕の転職相談に応じてくれて。くわえて僕の親戚も支援をしてくれたおかげもあってIT企業に入社することができました。

しゃけ:
なるほど。やはり文章を書くのが好きなんですね?noteも読ませていただいています。

伸城さん:
好きですね。なので、その後の転職でも、「外部媒体で、副業で書かせてもらえるか」は絶対条件にしてきました。

ただ、書く場所が欲しくても、そう簡単には見つからなかったのが当初の現実で。これは頑張って自力で探しました。たとえば、明らかにうまく運用されていないホームページを見つけたら、その会社に連絡をして「ウェブライティングができます!」と売り込んだり。あと、創刊したての雑誌やメディアはコラムニストを探していたりするので、そこにピンポイントで売り込んだり、同人誌で書評を書いたり、原稿料なしの仕事もたくさんしました。そうして実績を積み上げていきましたね。

記者時代の記事って、ポートフォリオにはならないので、とにかく自分の署名がついた記事を書きまくって、実績を重ね、それを元にチャンスを探りました。大手どころで言うと、ダイヤモンド・オンラインで最初の記事が書けたのは、まさに2020年になろうという年末です。ダイヤモンド社の出版記念パーティーに行って、そこで担当編集の方をつかまえて名刺交換。実績をアピールして、口八丁手八丁で書く場をゲットしました。

しゃけ:
すごい執念!かっこいいです。

僕の記事の中でも画期になったのは、脳科学者・茂木健一郎さんのインタビューでした。これはとても読まれましたが、この記事も、茂木さんがツイッターで新刊の「書評を書ける人、募集」とつぶやいたのを見て、速攻で手を上げさせてもらったのがきっかけです。チャンスを逃さない。のちに、茂木さんとは対談記事も編ませてもらいました。

今、僕は4本の連載を持っています。そして今現在、僕は、尊敬する記者先輩の遺志を継ぐ気持ちで、「社会の中で弱くさせられている立場の人たちの声を聴診器のように聞いて、その声を自身が拡声器となって社会に届ける」ということをテーマに活動しています。十分にその機能を果たせる自分になることが、僕の夢です。もっと影響力を持って、皆さんに読んでいただけるような本も出版して、活躍の場を広げていきたいですね。


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