アメリカ最大のサーカスでクラウンを演じるまりこ

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「ダンスのうまいクラウンは日本人女性」

アメリカで最高の知名度をほこるリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス の中に日本人はたった一人。それがクラウン(ピエロ)を演じるまりこだ。まりこのクラウンは、これまでの黄色や赤いかつらをかぶって、真っ白に顔をぬり、青や赤で彩られたメイクにより表情の見えないクラウンのイメージとは一味違う。うすい白塗りではあるが、頬にほんの少し丸く赤い円をえがき、アイラインも細く入れ、赤い鼻をつけただけ、本人の顔がしっかりわかる軽いメイク。「クラウンのメークをしただけで違った自分になれるという人もいますが、それは私の思いと違います。クラウンを演じる人の個性こそが、演技的な面で重要になってくるのです」目指すのは、踊って歌って、しゃべりもできるエンターテイナーなのだと目を輝かせる。

父親がチャップリンやバスターキートンなどのサイレント映画をよく観ていたので、幼少のころから無意識的に、それを一緒に観てすごした。その影響もあってか、いつのころからかフィジカルコメディーの世界にあこがれを抱いていた。それでもフィジカルコメディーの世界へストレートに進むのではなく、日本大学芸術学部演劇学科を卒業後、演劇ユニットをたて舞台で演じたり、ディズニーランドで踊ることとなった。

9つ上のいとこのお姉さんがダンスをやっていた影響から、17歳からダンスをはじめたんです。日本では宝塚出身の謝珠栄(しゃたまえ)先生のところでジャズダンスを習っていました。時代移り変わっていくうち、日本ではダンスの主流がスタンダードジャズから、ストリート系へと変わってしまったため限界を感じ、ニューヨークへダンスの勉強へ行く決意をしました」

2007年、ニューヨークへ渡ってからは、これまでの貯金を使いながら、最初の12年は親の助けで暮らしていた。「シアターダンスがあるということで、語学学校へ通いながらBDC(ブロードウェイ・ダンスセンター)やステップスのオープンクラスを受けていました」

渡米直後にいろいろと学びながらも、イーストビレッジ付近にあるオフオフのシアターにてスタンドアップコメディーのショーで、パンダの着ぐるみを着たりしてフィジカルコメディーのショーをやるようになった。「2012年11月サーカスに入ってからは、これまでのダンスやこうしたコメディーショーで経験が総合的に生かされてると思います。クラウンの数が全盛期の30人から12人へと減っているため、少ない人数で大きな動きを見せるためにも、ショーの一部としてクラウンもダンスを踊らされるんです。クラウンってジャグリングやアクロバットはできても、ダンスのできない人が多いから。私は、ダンスをこれまでやってきた経験があるので、12人の中ではピカ1だと自負してます」

クラウンの仕事には、子供たちのためのホスピタル訪問もあるという。「病院への訪問は心理的にもつらいので、訪問の前に行けるかどうかを聞かれます。クラウン仲間で快く行けると言う人は12人中3人しかいないのですが、私はいつも快く引きうけています。重度のやけどを負った子などは、見た目も痛々しかったりするので、可哀想で見ていられないなどという人もいます。そんな病とたたかっている子供たちが、私たちクラウンと一緒にすごすことによって、少しでも笑顔になれるんです。

彼らを可哀想だと同情することは、自分より彼らのことを下にみているのだと感じます。なので、極端な話ですが、彼らは生きているのだから、同じ人間なのだと思って私はクラウンを演じています」

精神力の強さはどこから生まれているのかといえば、「ニューヨークに来てから、つらい時こそ、パフォーマンスするとかダンスのレッスン受けるとかで、つらさを克服できるのだと気づきました。基本的にはパフォーマンスをしているときが一番楽しいですし。人を楽しませることが好きだという自分の性格とクラウンはマッチしていて、その仕事として大きなサーカス団に入れたことも、エンターテイナーとしての大きな自信につながってきました」

サーカスのツアーを3年半つづけていることにより、全米各地で新しい出会いや経験から、視野も広がり、身体の使い方ももっと自由になり、動きの幅も広がったという。

「サーカスを終えたなら、ニューヨークにもどってミュージカルに出てみたいというのが今の目標です。ビル・アーウィンとデヴィッド・シャイナーがOld Hatsっていうオフブロードウェーのショーをやっているのですが、私の大好きなお勧めのショーです。

ユニオンスクエアでは、39 STEPSのショーをやってますが、こちらは4人の役者がいてクラウン役がその中に2人いるんです。まさしくそのクラウン役を演じてみたいです。日本では、大学の先輩でもある三谷幸喜さんとお仕事できるといいですね。シチュエーションコメディーとかスタイルが好きですから」

サーカスにとどまらず、ブロードウェーに日本の舞台へと、まだまだこの先まりこのエンターテイメントの世界は広がっていきそうだ。(敬称略 執筆・撮影 ベイリー弘恵)

【プロフィール】
岩佐麻里子(いわさまりこ)
神奈川県出身
2003
年 日本大学芸術学部演劇学科卒業
卒業後、舞台演劇ユニットを設立。
同年ごろから東京ディズニーランドでパフォーマーとなった。

【関連サイト】
Mrikoさんのサイト

 

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