2023年、ジャネット・ジャクソンのツアーでまわるバック・ダンサーは既に4人が選ばれているが、ニューヨークで5月にマジソン・スクエア・ガーデンで行われたショーに2人だけ追加で選ばれることとなった。
そのチャンスをつかんだ1人がTOMOだった。NY1page.com2017年TOMOの記事。男性ダンサー5人と女性ダンサーはTOMOが1人。ジャネットのご指名でダンサーに選ばれ、彼女の真横で踊るという重要な役割だ。
「自分からダンスに自信がありますと言ったりはしませんが、その実力は、ダンスを見てもらえればわかるって思っています。今回もぜったい選ばれると信じ続けていました。そんな信念と根気がダンスにもでていて、ジャネットに伝わったのでしょうか?」
マジソン・スクエア・ガーデンでジャネットの代表曲ともいえるリズム・ネーションを長身なアメリカ人男性の中に唯一アジア系女性として混ざり、キレのあるダンスに笑顔を絶やさず会場をわかせた。
「ダンサーの友人から、 『ジャネットのバックダンサーに選ばれることは、世界のダンサーの夢の頂点でもあり、TOMOはその頂点に立ったわけだけど、今後TOMOはどうするの?』って質問されました。」
すでにTOMOは現在、新しいツアーに回り始めているという。
「LGBTQのアーティストのバックダンサーでツアーを回っていて、振付師としてもはじまっていく年になると思います。
私のダンスは常にハッピーバイブス(ポジティブな気分や楽しい雰囲気)を大切にしています。ダークサイドのダンス(一般的には暗い要素や悪のイメージを取り入れたダンススタイル)が注目されることもありますが、そちらに行くことはないです。
さらに加えると、流行を取り入れて組み合わせただけのコリオ(コリオグラフィー:振り付け)は、表面的なためか一時的な流行で終わることが多いようです。
自分が学んで咀嚼して、積み重ねた私の経験から生まれたコリオには、ストーリーがあるからか、長く続けていけるのです。そんなハッピー・バイブスによって長く続けられるダンサーであり、かつ魅力的な振付を作り出せるダンサーでありたいと願っています。」
ではハッピー・バイブス中にある、TOMOのダンス・スタイルとは?
「ステージで、私がフリー・スタイルをやった瞬間に会場がわくことがあります。それは常日頃ニューヨークで暮らす中で、酸いも甘いもみて、ストリート・ダンスが生活と密接にかかわっているからこそ、本能として表現できています。
コンサート中に踊るうち、その本能へと豹変する自分がわかります。私の腹の底からわき出てくるエナジーやバイブスで、観客がのってくれるのです。それは私の特技の一つであり、スタイルです。」
月並みな質問ですが、ジャネットに会った時は緊張しましたか?
「基本的にミーハーでないからか、セレブに会ってもそんなに驚くことはありません。もちろん、そのとき仕事モードだったからかもしれませんが。どれほど、そのアーティストのファンであったとしても、『音楽をいつも聴いてたアーティストが、ただ目の前にいる』っていう感覚ですね。緊張しないからこそ、この仕事に向いているのでしょうか。」
これからの方向性ってありますか?
「コリオグラファーとしてもっと力を入れてみれば?とか、LAへ行ってみたら?とか、人に言われることで心を動かされたこともあるのですが、今は、Listen to your heart.(心の声に耳をかたむけて)。 自分が満足し、自分が良いと思う人生を切り開いていくことを大切にしていきたいです。
ニューヨーカーとして生きるには、勇気と好奇心が必要です。私もニューヨーカーとして10年かけて戦ってきて、ジャネットのステージに立ったとき、ようやくこの街に受け入れられたのだと感じることができました。」
【プロフィール】
TOMO
6歳からJAZZダンスを始め、9歳からHIPHOPを始める。 22歳に日本からNYへと拠点を移し、渡米して僅か1年でアメリカの代表的な女性HIPHOPラッパー “Missy Elliott” のバックダンサーを勤め、Janet/Madonna/CardiB/FatJoe/LilKim/MissyElliott/KeyshiaCole/JBalvin/BTSなど、メジャーアーティストのバックダンサーなどで活動。Banji Twerk TeamというCrewに属し、ニューヨークでは、PeridanceとPJMDanceNYCでクラスを持っている。世界各国のワークショップで呼ばれることが多い。日本人ながら特別ワークショップが開かれたり、アーティストの振り付けなど、彼女のダンスの魅力に惹かれるダンサーは今も尚増え続けている。
【関連URL】
●TOMOインスタグラム
●Youtube Tomo
●Exile Professional GYM Tomoインスタグラムリンク
●Peridance Capesio Center TOMO
●NY1PAGE.COMでTOMOに取材した記事