ミュージカル、ジーザス・クライスト・スーパースターのサブアシスタント・ステージ・マネージャー安藤優

ミュージカル、ジーザス・クライスト・スーパースターは、現在ツアーで全米を回っているのだという。そのサブアシスタント・ステージ・マネージャーを務めた安藤優(あんどうゆう)さん。ステージマ・ネージャーっていったいどんな仕事なのか気になる。。。
©Yu Ando
「2週間ツアーに行ってきました。本来のアシスタント・ステージ・マネージャーがバケーションだったので、サブ(代役)で入りました。主な仕事はというと、約一週間おきに様々な地域の劇場で演じるので、バンドや役者さんたちが入ってすぐわかるように、楽屋や舞台はこちらですよっていう矢印を貼って回ったりとか。

キャストの体調を確認したり、代役がでるならば、アナウンスメントする用紙をクルーに配ったりします。たとえば俳優の身長がちがうと、照明も変わるので、多少のズレが生じるので、細かい調整が必要になります。

開演の30分前には、小道具や大道具がそろっているかの確認。道具に触ることのできるクルーも決まっているので、その方とコミュニケーションを取り合い、定位置にあるのかを確認します。

開演してからは、プロダクション・ステージ・マネージャーと、アシスタント・ステージ・マネージャーが、それぞれの部門の方にキューをだします。
©Yu Ando

今回は私もバックステージにいて、2つだけキューをだしました。舞台がちゃんと進行しているのかをチェックして、小道具が違う方向にとんだりして、キャストの通りをふさいでしまっているなどのアクシデントがあれば、担当のクルーと連絡をとりあって上演中に直していきます」

ジーザス・クライスト・スーパースターっていうタイトルからして、キリスト教の話というのはわかるのだけど、スーパースターっていうのは?ちょっと不思議なタイトルだなぁと感じ。優さんのSNSで見ても、観客は白人の中高年の方が多いので、おそらく教会とかでお話を聞くような神妙なものなのかと思っていたら。

「この作品は、『オペラ座の怪人』や『Cats』の作曲で知られているアンドリュー・ロイド・ウェバーがつくったイエス・キリストが十字架にかけられるまでの7日間を描いたロック・オペラ・ミュージカルです。

70年代の後半に初演されました。だからか、その時代に人気だったロックの音楽の要素が多いようです。またゴスペルの要素もあったりします。このプロダクションでは、ジーザス役がギターを弾きながら歌ったりします」

なんと私のイメージをまったく裏切る作品だったのだ。ロックの音楽とジーザスが結びつくとは、思いもよらなかった。

「イスカリオテのユダの視点から描いているので、宗教色の濃い作品ではないんです。演奏をするバンドの方も衣装を着て舞台上にいるので、演奏している姿が客席からも見える位置にいます。なので、ロック・コンサートとダンスが混じったようなミュージカルです。

ブロードウェイで上演されてから、再上演も何度かされているのですが。このバージョンは、ロンドンで新しく演出されたもので、今はツアーで全米を回っています。」

いったい何人くらいでツアーに回っているのか気になるのだった。

「ツアーに回っているのは、役者さんとスウィング(代役)を加えて24人。舞台に出るのは、22人です。その他にバンドが4人います。バンドは音楽を弾くだけ。曲によっては、役者が弾き語りするシーンもあるので、役者も生で音楽を演奏します。

ダンサーとプリンシパルでわかれているため、主役級の人は基本的に踊りません。アンサンブルがまわりで踊っているという感じです。

マネージメントのサイドには、GM、カンパニー・マネージャー、ステージ・マネージャー、ハウス・マネージャーという役割があります。ハウス・マネージャーは聞き慣れないと思うのですが、劇場の管理をする役割です。

お客さんを席に通す人たちをマネージメントするなどといった仕事もします。」

シアターに行くと、親切に席までついてきて案内してくれる人がいたり、突っ立っていて場所だけ説明してくれる人とか、様々ですよね。案内をさぼる人がいたりするのでは?

「現在私はセカンドステージシアター(ブロードウェイ/オフブロードウェイのシアターカンパニー)でアシスタント・ハウスマネージャーも務めているのですが。この劇場では、アッシャー(usher 案内係)をボランティアにお願いしています。

劇を無料で観れるので、ボランティアでアッシャーをやる人も多いのですが。そのアッシャーの方々や、劇場のカフェで働くスタッフ、などをマネージメントし、ステージマネジャー達と連絡を取り合ってどのタイミングで開演するかを決めることがハウスマネジャーの役割です。

ジーザス・クライスト・スーパースターのツアー公演のNYに近い公演では、来年の頭にコネチカット州のNew Heavenで公演があるので、同僚たちに会いに行くために観に行く予定です。ただしこのミュージカルは、お子様にはちょっと怖いかもしれないですね。39回もムチで打たれたりするシーンや、血まみれになりながら、十字架にかけられるシーンもあるので。

ムチで打たれるシーンは、打たれるたびに金色のグリッターが投げかけられるので、キリストの身体がキラキラと黄色く変化していくので、とてもアーティスティックです。」

役者さんたちの人種が気になるのですが。

「イエス・キリスト役、ユダ役、マグダラのマリア(イエスの弟子の一人で、イエスの処刑を見守り、復活したイエスを最初に見た人物)などのプリンシパルのキャストには、ホワイト、ブラック、など多様な人種の俳優さんがいて、ノンバイナリーの方も数名います。」

2週間は、どちらを回っていたのですか?

「ウィスコンシン、アイオア、アイダホだったので、お客さんはご年配のホワイトの方が多かったです。」

ニューヨーク在住の人なら抵抗なく観られそうなミュージカルですが、アメリカの地方で受け入れられるものなのでしょうか?

「たしかに私が代役でツアーに回ったところは、アメリカでもコンサバティブな地域だと思うのですが、皆さん楽しそうに観ていました。

アメリカでは、学校教育の中にシアターのクラスがあったりするので、誰もが抵抗なくいろいろな作品を受け入れる文化なのかもしれないって思います。」

続編はNewsweekに掲載中です!

【プロフィール】
安藤優(あんどうゆう)

2012年に高校時代にコロラドへ留学。NYのコミュニティーカレッジから編入後、Pace Universityのビジネススクールを卒業その後フロリダ州ウォルトディズニーワールドで働いたのちニューヨークに戻り、2022年の5月にNYU(New York University)でPerforming Arts Administrationの修士号を取得した。

近年はプロデューサー業を中心に、様々なプロダクションでアシスタント・ステージマネジャーやハウスマネジャーを務めている。

 

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