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第三十八号 03/15/2000
Harlem日記
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*****Soulfood.com*****
ハーレムの125丁目には、ソウルフードの店が軒を連ねている。コットンクラブやシルビアは有名どころで日本人が経営者になってるのでは?という噂もあるくらい、日本人観光客がほとんどのゴスペルショーまでやっている。
と、いいつつ私もこのツアーに参加したことがあるのだったー
あーちょと照れるなー。
コットンクラブ<656 W. 125th Street>に初めて行ったときは、ソウルフードって油っぽいけどなんだか美味しいと思った。若かったせいもあってフライドチキンなんてうれしくておかわりしてしまった。「リブのケチャップのソース味はいけてる」とうなったものだ。
シルビア<328 Lenox Avenue>は、ロングアイランドアイスティーがうまい!というのが評判なのである。一度バーで飲んだが(一般客はバーで飲まない)、ロングアイランドアイスティーをオーダーするとバーテンダーのおやじが嬉しそうに顔をほころばせた。
「俺様のロングアイランドアイスティーは最高なんだよ。」とトクトクとアルコール陣を入れながら語る。
ちょっと甘いけど、これ以外のカクテルはなぜか同じようなフレーバーなので、どれを飲んでも「違いのわかる女」になれない。
ここのソウルフードはというと、テイクアウトの場所にはブラックの人たちが列をつくっているほど人気である。Catfish(ナマズ)をCodfish(タラ)と勘違いしてオーダーした私は痛い目にあったが(あの臭みが苦手だった)。
鹿児島の親戚が観光に来たときに招待したが、ステーキのわらじのような大きさに驚いた。
「これよーこれがアメリカンフードよー。」と叔母はようやくアメリカの食事にありついたことに狂喜していた。そういえばニューヨーカーってディナーといっても寿司とか、日本食に酒ってのが「つう」であるし。ヘルシー志向から、こってりしたビーフステーキよりもベジタリアン派の豆腐ステーキなるものまで存在するので、
「アメリカなんだから、アメ食に連れて行け。」とリクエストされたときに困ってしまった。とりあえず、日本の観光客には喜んでいただいた場所である。
だが、読者の皆さん注意!まずい店もちゃんとハーレムには存在するのであった。
こんなまずいもん毎日食ってる奴がいるのか?と彼らのミライ細胞を金沢大学医学部耳鼻咽喉科へ送って、調べ上げて欲しいくらいである。
とても人間が食っているとは思えない、いや豚さんだってまたいでしまうであろう。どこの店とは営業妨害してしまうので明かすことはできないが、ここのマカロニ&チーズはカサカサで塩分まったくなし、宇宙食用の乾燥させた料理なのか?
「あーら、高血圧の方にはもってこいよー」と言われても首を縦に振ることはできない。やる気のなさそうなおやじが、こってりたんまり発泡スチロールの容器に盛ってくれる。
125丁目Madisonの角にフィッシュアンドチップスを売りにしてる店のフィッシュフライはうまい。いつも行列ができている。「行列のできる店」というお題で取材にきて欲しいくらい、毎日、人が並んでいる。
ただ、ブラックの人しか並んでいないので、東洋人一人で並ぶのにはかなり勇気がいる。一日いたら骨の髄まで油くさくなってしまうことは確かである。
たてつづけに入るオーダー順に、ブラックの兄さんがフライを揚げまくる。揚げてもらったフライには好きなだけケチャップやらタルタルソースをかけて良い。その後にお姉さんがてきぱきと包んでくれるのである。
カリカリに揚がった衣に包まれた白身の魚はこってりしたタルタルソースがたっぷりかかっている。ハフハフいいながら口にすると、お口いっぱいにお魚のジューシーなフレーバーがひろがる。くちゅくちゅとタルタルソースと混ざっていく感覚も心地よい。
ハーレムにはカリビアンもたくさん住んでいるので、カリビアンフードも点在する。ジャマイカンの夫を持つ私のリサーチを次回はお送りしよう。
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