日本でラッパーとして活躍中のSKI-HIが、初のワールドツアーを行う。ニューヨークでは11月にSOB’sでの開催をを予定している。ツアーはすでに日本でスタート、ニューヨークでのライヴにも期待が高まっている。今回NY1PAGEではSKY-HIに、ニューヨークでのツアーに対する抱負をうかがうことができた。
- ラップミュージックの本場でニューヨークで歌うことに対する期待や抱負は?
中学生のころからは、日本のポップスよりも、ニューヨーク出身のMosDefやOrganized Konfusionなど、まさしくニューヨークのヒップホップに育てられました。何を言ってるのかを知りたかったので、自分で翻訳を探したりしてました。
アメリカと日本のラップは、まず毛色のちがうものとしてとらえていて、そういう違いのあるラップをやるためには、まず基本的なラップ(基本的なラップはニューヨークのブロンクスで生まれた)に対しての技術が必要です。そのためにも、これまでラップに対して、実力をつちかってきたっていう自負はあります。つまりニューヨークのラップに対する、リスペクトをもった上で、違うことをやっていきたいです。
- ステージで演奏するときのファッションは、どういったものを取り入れていますか?
ファッションは、音楽のスタイルと通じるかもしれません。まず音楽は、日本でライヴするとき、ラップのルーツともいえるファンクとかソウルに通じるスタイルでやっています。バンドもフルバンドにプラスDJだったり。ですからフルバンドで、スーツを着て演奏していたジェームスブラウン、マイケル・ジャクソン、プリンスのように衣装も彼らがステージで着ていたようなものをイメージしています。
- アメリカのリスナーとは言語の壁がありますが、コミュニケーションは?
これまでにアメリカでレコーディングなどもあって、現地の人と接することもありましたが、コミュニケーションを苦痛に思ったことはありません。もちろん、アメリカ人スタッフが優しいこともありますが、細かいニュアンスも音作りでは、伝えることができました。音楽をやっていると、言語のないコミュニケーションがあるのだと思います。
- 世界ツアーを決めたのは、なぜ?
世界ツアーのライヴでは、日本でやっているものと同じものをやります。バンドは連れていかないのですがダンサーを連れていきます。
世界にいって実際にライヴをやってみなければ、見えないこと、わからないことは多いと思います。だから自分が現地で演奏して失敗し、恥をかいてもかまわないという覚悟です。どういうことをやったら、自分の音楽が世界につながっていくのかというのを見極めるためにも、実際にそれを持っていって演奏してみないとわからないことは、多いですから。このツアーで、自分がしっかり世界でやっていくための道筋を見つけるつもりです。
- 今回の世界ツアーで日本のファンに伝えたいことはありますか?
今が非常にいい時代だと思うのは、昔みたいにCDとライヴでしか主だった音楽活動ができない状況とちがって、新曲を作ってもインターネットを使えば、どんどん出せる時代です。
たとえばアメリカに向けて曲を作ったりすると、ラップは少しネガティヴなイメージが主流だったりして、日本に向けてる音楽とはちがった世界に入りこんでしまいます。しかし日本に届ける音楽は、世界のどこにいたとしても、これまで通りのものを作り続けることはできますし、インターネットを通じ公開することができます。
ですから、アメリカに売るためだからといって、日本のリスナーが今まで聞いてた音楽が届けられなくなることはないのです。どちらのリスナーに向けてもものすごく頑張るので、どちらの音楽も楽しみにしていてほしいです。<敬称略 取材 弘恵ベイリー>
【プロフィール】
2005年AAAのメンバーとしてデビューし、同時期からソロ名義「SKY-HI」として都内クラブ等でマイクを握り、活動を始める。レーベル非公認でMCバトルやクラブに出入りする日々が続く。
2012年に自身主宰のコラボレーション楽曲制作企画「FLOATIN’LAB」が話題となり、CD化してリリース。KREVA等多数アーティストの楽曲への客演や各地でのライブも経て、同年の「WOOFI’N AWARD 2012」のベストオブラッパー部門を受賞。
2013年、満を持してメジャーデビューを果たし、2014年3月にはファーストアルバム「TRICKSTER」をリリース。同年6月、MTV VMAJ 2014 BEST HIP HOP VIDEO受賞。その卓越したスキルと豊かな音楽性によりHIP HOPシーンのみならずROCKやサブカルシーンにおいても注目を集めた。
2015年、全国9箇所9公演1万人動員の全国ツアー「Ride my Limo」を完遂。2015年12月には追加公演として3大都市ZEPPツアーを行い、自らがバンド音源や演出、照明に至るまでプロデュースし、フルバンドにダンサーを入れたSUPER FLYERSと称する総勢13名とステージの中心に立ち、エンターテイナーとしての力量を見せつけた。本ツアーからビッグバンド編成でのLIVEがソロツアーでの基本となる。
2016年1月、2ndアルバム「カタルシス」をリリース。1枚のアルバムの中に緻密に計算されたストーリーと広い振れ幅の楽曲郡、そしてメッセージが詰まったこのアルバムはリリシストとしての力量が遺憾なく発揮された。
【関連リンク】
SKY-HIオフィシャルサイト
【SKY-HI NYライヴ情報】
日程: 2017年11月15日(水)
開演: 8PM/開場: 7PM
会場: SOB’s
住所: 204 Varick St, New York, NY 10014
チケット: 40ドル
年齢制限: 18歳以上
購入リンク:http://www.ticketweb.com/t3/sale/SaleEventDetail?dispatch=loadSelectionData&eventId=7656295