第2回 ニューヨーク・ジャパン・シネフェストが6月7日と8日にアジア・ソサイティーで開催された。
日本映画に関心の高いニューヨーカーが集まり、会場はにぎわっていた。2日目は映画「美代子阿佐ヶ谷気分」も上映され
監督の坪田義史氏が映画の上映後、質疑応答も行われた。
脚本になっているのは、漫画家、安部 慎一さんの短編作品を集めたもの。1970年代から1990年代までの実生活に基づいた内容であり、妻である美代子や浮気相手との性生活を描写しているシーンも多かった。しかし主演女優の町田マリーさんのヌードシーンは、エロチックというよりもむしろ芸術という趣で美しい。
会場に来ていたジェニファー(27)に感想を聞いてみた。フランス出身のジェニファーは日本映画好きで、気に入ってる作品はリリー・フランキーさん原作の「東京タワー」だという。
「恋愛の部分もとてもよかったのだけど、精神を病んでいくところも面白いと思う」と語った。ヌードシーンも多かったので抵抗はなかったのか聞いてみると、
「フランス映画と日本映画は共通しているものも多い。たとえば恋愛を描く作品ではリアルな性描写があったり、狂っていく人物が登場する作品も多い。だからか、抵抗はなかった」
昭和時代の懐かしいファッションや環境も時代に忠実に表現されているところも素晴らしい。監督によると、内容がかなり重いので、音楽はそうした内容にわざと反するものや、マッチしたものミックスし、暗くなりすぎないように努めたという。原作者、安部の息子たちがボーカル、ベースをつとめるバンドSPARTA LOCALSの曲も効果的であった。
アメリカでは日本といえば、富士山の美しさでイメージされることが多い。富士山の美しさをマクロとすれば、この映画はミクロな日本の美しさをアメリカ人に知ってもらうのによいだろうと感じた。
(執筆:ベイリー弘恵)
【関連URL】
第2回ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト開催近づく!
http://www.allmovie.com/movie/v510381
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=40111