世界のプロダンサーが集まるブロードウェーダンスセンターの日本人インストラクターChio

NYには多くの日本人ダンス留学生が来る。その数は年間何百人にもなるだろう。ダンス留学といっても人それぞれで、1~2週間ふらっと旅行がてらの下見型から1~2ヶ月の体験型、半年の短期滞在型そして日本の大学に行く代わりの1~2年長期型と様々である。

来ている人達も様々で、ダンスをただ楽しみに来ている人から、もう既に日本でダンスの仕事をしていて、スキルとセンスを磨きに来る人、そして日本ではなくアメリカでなにがなんでもチャンスを掴むんだと勝負しに来た人まで千差万別である。

しかし、どの人も半年を過ぎた頃から、一様に居れるものならもっと居たいと思い始めるようである。NYは面白い。NYで夢を追いかけたいと皆、口をそろえて言う。
NYという街自体が大きな舞台のようで、パフォーマーとして街全体から刺激を受ける。

ダンサーとしてのチャンスもビザという大きな問題さえクリアすれば、オーデションの数が日本より多い。尊敬する先生のレッスンを受けながら、チャンスを探す。ここNYはダンス好きにはたまらなく魅力的な街なのだ。

Chio(山田知央)はダンス留学生からチャンスを掴み、BDC(Broadway Dance Center)でインストラクターとして

活躍している。

まさに夢を掴んだ女性だ。

●留学の目的

Chioは1998年にAlvin Aileyの留学生としてNYに来た。
「ダンスを始めたのが高校の頃からだったので、スキルを付けたくて」
留学後、Chio はNYのダンスのレベルの高さに圧倒されるが、持ち前のガッツで留学プログラムをこなした。

Chio のダンスの才能はこの頃からだんだんと開花される。

それを証明したのが、NBA New Jersey Net’s のオーデションである。
難関を突破して見事合格したのである。留学後わずか半年目の出来事であった。
運も彼女の味方をした。ちょうど半年の留学プログラムが終わったので、
OPT(ある期間だけ見習いとして就業できるビザ)が取れたのである。

「Net,s のチアリーダーに日本人が選ばれる!」
まだChioを知らない私も新聞で記事を読み
「すご~い!やったね」と喜んだ。NYにいる多くの日本人が同じ気持ちであっただろう。

●Net’s 時代の1年間

とにかく忙しかったという。同じ時期HipHopのカンパニーにも入っていたので、
リハーサル、レッスン、本番、それに加えて生活費のためにレストランで朝ごはんを出すバイトもしていた。

「英語は、聞くのは聞けたんですが、会話は苦労しました。」それでも頑張っていたら、
だんだんとアメリカ人の友達ができていった。

軽く言っているようであるが、彼女の語学への努力も並大抵ではなかったであろう。
私の知るChio は野心家ではないが努力家である。

その後、アーティストビザ(O Visa)を取得、BDCのアシスタントを経て、
Jazz Funkのクラスを持つ。ダンサーとしてもTV,CM,PVなど数多く出演。
Net,sの振付をする立場になった。最近でNew Jersey Devils(アイス・ホッケーチーム)を応援する
チアリーダーの振付も行った。

今でこそ人気インストラクターのChioであるが、最初の1ヶ月は生徒が2~4人だった。
しかし、Chio はめげなかった。
「2人でも自分のレッスンを受けに来てくれる人がいるそう思って良いレッスンをする事を心がけました。」
徐々に評判になり生徒も増え、クラス数も増え人気インストラクターとなった。

1年後、クラスはいつも生徒でいっぱいになり、ダンスだけで生活できるまでになった。
「Chio のレッスンを受けると元気がもらえる。」そう言う生徒も多い。

彼女のパワーはいったいどこから来るのであろうか?クラスいっぱいにChioの声が響く。
「クラスは、私にとってショーなんです。皆が楽しんでくれるのが一番嬉しいです」

●NYで夢をつかんだChio

今後の夢は?と問えば「ゆっくり見つけます。」と落ち着いた答えだった。
若い才能のある子がどんどんNYに来ることに危機感は?
ちょっと意地悪な質問にも「刺激になって、自分もがんばらなくっちゃと思います。」と、芯の強さを感じさせる。

結婚は?「そのうちに、時期がきたら、あせってませ~ん」と笑う。
ダンスだけに集中し、まだまだキャリアの階段を上っていく。

●プライベートでもミニーちゃんと遊ぶ暇を削ってダンス

Chioがほっとする瞬間は、自宅に帰るとチワワのミニーちゃんが出迎えてくれること。
「ミニーちゃんと遊んでいる時がいちばん心が和むんです。」とはいえ、遊ぶ時間はほとんどない。

夜のレッスンのため新曲を振付けしなければならないので、朝5時に起きて考えることもある。
誰の助けもなく、ただ曲を聴き、ひたすら考える。クラスを持ってからの8年この繰り返しだ。
何度も壁にぶつかったが、そういう時はダンスを忘れてしばし休む。

そしてまた「好きなダンスを仕事にしたのだから、がんばれる。」と自分に言い聞かせ、
ダンスに戻る。NYの街から刺激をもらい、ひたすら振付を考え、踊り続けるのだ。

「NYに来たいのなら、1週間でも絶対に来るべき。必ず何か得るものがある。」
これが、Chio からのメッセージである。(取材・執筆 平川美代子)

【Chioプロフィール】
名古屋生まれ。金城学院大学の英文科卒業、18歳でダンスを始め、その後Ceezooratonに所属し、
ライヴハウス、シアター、ブライダルファッションショーやスペシャル・イベントで活躍。
98年に渡米後には、アメリカのテレビ、ビデオ、ステージ、CM等にも出演している。

The Queen Latifah Show, The Chris Rock Show, recording artists Out of Eden,
Bacardi, KTU’s Beatstock, and dancing and choreographing the New Jersey Nets.

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