髙山 まり Mari Takayama Instagram : @maritakayama_ballet
山形県出身 NY在住
プロバレエダンサー
3歳 バレエを始める
13歳の頃からアメリカ、イギリス、ロシア、フランスなどへバレエ短期留学(スカラシップを授与)
2021年 洗足学園音楽大学バレエコースを卒業後、アメリカ・ニュージャージー州へ American Repertory Ballet(アメリカン・レパートリー・バレエ団)の研修生として踊る
バレエ団公演『くるみ割り人形』のメインキャラクター・クララに選ばれる
2022年 Eglevsky Ballet(エグレヴスキー・バレエ団)に入団 入団後すぐに『Offenbach Pas De Duex』(ディレクターの新作振付)で、グラン・パ・ド・ドゥに選ばれる
『くるみ割り人形』メインキャラクターの金平糖の精・Sugar Plum Fairy、および花のワルツのソリスト・Dew Dropに選ばれる ガラ公演などでニューヨークシティバレエ団、アメリカンバレエシアターのプリンシパル、ソリストと共演
その他、Connecticut Ballet(コネチカットバレエ団)、City Dance NY、Neville Dance Theaterなどでも踊る
2023年 アメリカのアーティストビザを取得
2024年 『The Thorn』全米ツアーのダンスアンサンブル、幕開けのソロ「Glove Girl」に選ばれる
ツアー後すぐに『Ramaavan – A Musical』オフブロードウェイミュージカルに出演
現在はオンブロードウェイのミュージカルの出演を目指している
2025年9月 ニューヨークのThe Ailey Citigroup Theaterで開催されたClimate Week NYCガライベント『Once Upon a Dream』にダンサーとして出演
2025年12月 『くるみ割り人形』4年連続ゲストダンサーとして金平糖の精の役で出演
しゃけ:
まりさん、お久しぶりです!前回のインタビューはこちら。第一回目はこちら。
3回目のインタビューありがとうございます。ニューヨーク生活はいかがですか?
まりさん:
しゃけさん、お久しぶりです!いつもありがとうございます。 久しぶりに過去のインタビューを読み返して、「若いな〜」と思ってしまいました(笑)在米4年目、27歳になりました。
最近ですと、9月にニューヨークのThe Ailey Citigroup Theaterで開催されたガライベント『Once Upon a Dream』にダンサーとして出演しました。Climate Week NYCの公式イベントの一環として企画され、未来を担う若い世代に光を当て、気候変動や環境問題に対する意識を広げることを目指した意義深いイベントでした。観客の中には感動して涙を流された方が何人もいらしたと聞き、ダンスという芸術が人々の心に響き、社会や未来について考えるきっかけを生み出せることを改めて実感しました。
去年から今年の春まで『The Thorn』の全米ツアー、オフ•ブロードウェイの出演、そして『くるみ割り人形』のゲストダンサーなどずっと駆け回っていたのですが、2025年の夏は少し休んで、自分とじっくり向き合いました。今後の目標に向けて色々考える良い時間になりました。
『The Thorn』の全米ツアーはとても楽しくてやりがいがあり、続けたい気持ちもありましたが、オン•ブロードウェイに出演したいという気持ちが強く、ニューヨークに帰ってくることを選びました。プロダクションの方からは「いつでも帰ってきてね」と言ってもらってありがたいですし、ツアー生活は今思い出しても素晴らしい体験ばかりでした。
しゃけ:
ダンサーで27歳というと、”新人”ではなくなったという感じですか?
まりさん:
そうですね。
渡米後にバレエ団に入って一年目から、バレエ団そしてゲストダンサーとして『くるみ割り人形(”The Nutcracker”)』の金平糖の精を踊らせていただいています。そして、2025年の12月で4年目になります。
最近では”新人”という扱いではなくなりましたね。作品ひとつひとつに責任を感じています。
しゃけ:
4年連続の主役!すごいですね。
まりさん:
ありがとうございます。もう夢のようです。まさかこんな素敵なことが自分に起きるなんて想像もしていませんでした。最初は留学だけで日本に帰る予定だったのですが、アーティストビザが取れ、今ではアメリカでダンスのお仕事をさせていただいています。
今年は2つのプロダクションで『くるみ割り人形』で金平糖の精(主役)を踊らせていただきます。もしかしたら今年で最後になるかもしれないので、全力で頑張りたいと思います。
しゃけ:
少しのお休み期間を経て、次の目標が何か見えてきたのですか?
まりさん:
今はニューヨークでもっと色んなことを学んで、いろいろな作品に関わりたいと思っています。最近ではブロードウェイへの道が少しずつではありますが見えてきています。
また、子供のころの夢は「バレエの先生になる」だったのですが、今ではニューヨークでクラスを持たせていただいてレッスンをしているので、その夢は叶っています。生徒たちから学ぶことが沢山あり日々学びは絶えないですね。
ただ、まだ自分がパフォーマーとしてどこまでできるのかに挑戦したいという気持ちもあり・・・
色々なジャンルのクラスを受けたり、オーディションを受け続けています。
しゃけ:
ミュージカルとなればダンスだけでなく英語の歌やセリフもありますね。
まりさん:
はい。英語の歌、英語の発音、ジャズダンス、タップダンス、演技など学ばなければならないことが沢山あります。ただ、渡米してきた当初よりは成長してることが沢山あるなと実感しています。
しゃけ:
おおー!ちょっと留学から4年後にブロードウェイ!となったら快挙ですね。
その情熱はどこから?どうやってモチベーションを維持していますか?
まりさん:
根底には悔しさがあるかもしれません。実はダンスで生きていくことを昔から父に反対されていて。母の全面協力でここまできました。「芸術では食べていけない」と父のその言葉通り、ダンスで生計を成り立たせるというのは本当に大変で厳しい世界だと日々感じています。自分より才能豊かな人たちが毎年どんどん集まってくるのがニューヨークなので。でも、その悔しさがあるからこそ頑張れてると思います。
ブロードウェイ、ライオンキング、アラジン・・・。誰でも知っている大きな名前に惹かれ、そこにこだわる理由は、一度も私の舞台を見たことのない父に、いつか私の舞台を見に来てもらいたいからかもしれません。
しゃけ:
ほほう。お父様も大切な一人娘に苦労させたくないとの思いから反対されているんでしょうけど。
まりさん:
実際大変すぎてもっと他の道もあるんじゃないかと考えたこともありました。でも、反対されても、辛いことがあっても続けてきたということは、バレエ、ダンスが好きというのはもちろんですが、「ダンサーとしても生きていけると証明したい」という気持ちがあるからでしょうか。
しゃけ:
もしかしたら、お父様の反対があったからこそ、真面目に続けられたのかも?
まりさん:
その可能性は大きいですね。賛成されていたら逆にここまで来れていなかったかもしれないと思ったりもします。応援してくれる母、そして父にも感謝です。
しゃけ:
うんうん。幸せを感じるのはやはり本番の舞台上ですか?
まりさん:
舞台上でお客様から反応をいただける時が最高の瞬間です。まだまだダンサーとして頑張り続けたいです。今後は社会にどう私が貢献していけるのかも考えていきたいと思っています。
しゃけさんにも何年にもわたって取材していただきありがとうございます。
また嬉しい知らせを持ってきますので、ご報告させてくださいね!



