小平 紘子 Hiroko Kodaira Instagram
広島県出身 茨城→カナダ→ドイツ→クロアチア→ニューヨーク在住
プロバレエダンサー
6歳 バレエを始める
15歳 東京シティバレエ団付属ジュニアスクールへ
バレエ団やプロジェクトの公演に出演
18歳 カナダにバレエ留学
22歳 ドイツ・クロアチアなどへ
24歳 ニューヨークへ
Steps on Broadway IISPで学びながらプリンシパル(ソロイスト)として踊る
現在 フリーランスに
2024年12月
フロリダのホテル【ゲイロードリゾート】にてサーカスカンパニーのパフォーマンスでバレエダンサーとして踊る
しゃけ:
6歳からバレエを習い始めて、現在はニューヨークでプロのバレエダンサーとしてご活躍中とのこと。インスタグラムの美しい動画にうっとりです。バレエを習い始めたきっかけから教えていただけると嬉しいです。
紘子さん:
バレエを始めたのは小学生になってからなので、決して早い方ではありません。私の住んでいた地域にはそれほど習い事の選択肢がなかったんです。兄が水泳をしていて、「水泳かバレエ、どっちがいい?」というような軽い気持ちで通い始めました。
しゃけ:
バレエというとすぐに映画『ブラックスワン』を思い出してしまう私です。強くないと勝ち残れない!というような厳しい世界を想像してしまうのですが、紘子さんからは落ち着いた優しさや自然体といった言葉が浮かんできます。
紘子さん:
ありがとうございます。『ブラックスワン』は映画なので少しやりすぎ感はありますが、あのような世界もゼロではないかもしれません。やはりみんな主役になりたいですから、厳しい世界ではありますね。
でも私は自分から前に出していくのがかなり苦手なんです。いつもみんながワイワイしている後ろの方にいるタイプ。教室では声も出せないような小心者でした。
しゃけ:
え!高校を卒業してすぐにカナダやヨーロッパへバレエ留学していたのですよね?踊っているときは別人になっているのかしら?
紘子さん:
車の運転しているときにだけ性格が変わる方がいますよね(笑)私、踊っている時と話している時は別人かもしれないです。
舞台の上で踊っているときは、緊張する余裕すらないのかもしれませんが、かなり俯瞰して落ち着いて全体を見渡せる感覚になっています。その感覚が気持ち良くて幸せすぎるんです。
今、インスタグラムライブでしゃけさんとお話している方がドキドキしていますよ。
言葉でのコミュニケーションはずっと苦手です。バレエをしていなかったらどうなっていたんだろう。踊りに救われたと思います。
しゃけ:
日本では「落ち着いている子」ということで問題視はされないと思いますが、海外だとどうなんでしょう?目立ちたい人ばかりの中で、どうやって生きていけばいいのかしら?
紘子さん:
目立ちたい人達ばかりの中で、静かだと目立つんですよ(笑)
しゃけ:
そういうこと?!(笑)
紘子さん:
みなさん「遠慮する」ということがないですから、自己主張の嵐なんですけど。その中で一人静かに後ろでだまっている私が逆に目立ってしまうのかも?(笑)
あと、みんなの前では明るく元気に振舞っている人も、一人になったら落ち着いていたりしますね。特に日本の文化を好きだという方には、黙っていられることを「すごい」と言ってくれる方もいて、集団行動の中では調整役として見てもらえることもありました。
しゃけ:
なるほど。無理にみんなに合わせることはないという、実はしっかりとした自分軸のようなものを紘子さんから感じます。
紘子さん:
もう少し自分からPRする力をつけたいですけどね・・・。ただ、自分の特色を無理に変えようとせずに、そのままの自分を生かせられる場所を見つけることも大切だと思います。
ヨーロッパにいた時は、アジア人がほとんどいなくて、私だけ背が低い(160センチ)のが気になっていたし、人種差別も少し感じていました。
その時クラスを受けていた先生に「アメリカに行ったことはある?」と聞かれた頃にちょうどメールでオーディションの知らせを受け取り、それをきっかけにニューヨークに来たのが10年くらい前です。。
コロナ禍もあり大変でしたが、日本に帰らずニューヨークに残りました。
アメリカでは背の低さが気にならないということだけでなく、日本人だからこそ一目おかれるというか、尊重してもらえる雰囲気があります。待遇も良いです。
バレエに関しても、宗教色や行事色の強いヨーロッパと比べ、アメリカでは本人の才能やエンターテイメント性が重視されているので、私にはアメリカの方が合っているかなと思っています。。
しゃけ:
世界で最も熱いエンタメの中で静かにじっと全体を見渡す紘子さん!(笑)
これからの予定を教えていただけると嬉しいです。
紘子さん:
アメリカでも活動して行きたいですが、日本でもエンターテイメントがもっときちんと職業として成り立つような仕組みをそろそろ作れないかなと思っています。日本ではバレエもまずコントラクトすら無い事が多く、職業意識も出来にくい。海外に流出するしかない才能をきちんと自国でも成り立たせたいと思っています。
しゃけ:
日本ではダンスだけで生きていく環境が整っていないのですね。海外進出している方はインスタグラムのDMでお仕事依頼が来ると聞いたのですが、実際いかがですか?
紘子さん:
ありますね。インスタグラムでお仕事に繋がることは多いです。フリーランスになったので、何もかも自分でやっています。バレエの講師もしていますが、いずれは自主企画で自分の舞台を作れればいいなと密かに情熱を燃やしています。
