パフォーマー

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第四十二号 04/08/2000
Harlem日記

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********パフォーマー*********

NYにはパフォーマーがそこいらにたくさんいることは有名である。

暑い夏のある日、ハーレムの125丁目のホームでサックスを格好よく演奏する白人の姉さんがいて、プレイはもちろん上手で皆が聞き入っていたし、黒のタンクトップでセクシーだった。125丁目は大抵がアフリカンドラマーばかりなので、珍しい光景だった。

一番私が気に入ってるパフォーマーはプラスティックのバケツと四角いドラム缶をたたくドラマーである。彼らはグランドセントラルのL線ホームでたまに演奏している。仕事の後に疲れきった足取りで電車へ乗り込む前に、激しいリズムと切れのいい金属音が、失った活力を再び呼び覚ましてくれる。

オルゴール音と共に白塗りでフランス人形みたいな服を着たおばさんパフォーマーもつい立ち止まって観てしまう。

朝は、バイオリン、ビオラ、チェロを奏でるブラックの中年男性三人のトリオも美しい。クラシックが生で聞こえてくると、たとえラッシュでイライラしていても、すがすがしい朝を迎える気分に変えてくれる。

セントマークスのホームもパフォーマーが多い。ジャズを聞くならこの周辺だろう。

一度このホームで、細長いホラ貝の化け物みたいな楽器を使って、不思議な低音をうならせていた。日本では聞くことのできない音である。

ミッドタウンタイムズスクエア周辺には、ラテンのダンサーでダッチみたいな人形とおどる兄さんもいる。

ワシントンスクエアで大好きなパフォーマーは、チャイニーズアメリカンの兄ちゃん。きゅうりを客のお腹に、男性のパンツからぎりぎりにはみ出させて、日本刀で、勿論きゅうりだけ斬ってみせるという。彼のパフォーマンスは笑いが中心である。どうしてこんなお笑いのプロがここにいるのか?というくらい話術が巧みである。

マイケルジャクソンやらジェームスブラウンのまねをする黒人の兄さんもいる。その日、私は見物人の中で一人きりの東洋人だから目立たないように隠れてパフォーマンスを見ていたが、案の定この兄ちゃんに指名されてしまった。

「君は、ジェームスブラウンを知ってるか?」
「もちろん知ってるわよ。」私は大声で答えた。
「本当か?」
「本当よ。」
「聞こえないぞー。」
「知ってるわよー」
何度か、観客の注意を促すように大声を出して答えさせられた後、彼のジェームスブラウンのパフォーマンスが始まった。

あー恥ずかしかった。東洋人女性は数少ないのでターゲットになりやすい。

セントラルパークでは、公園ど真ん中で、ジャズを演奏するお年寄り若者混合プレーヤー(プロだと思うが)の演奏を必ず聴ける。スタンダードなジャズはさすがNYだと感激することこの上ない。

ちょっと丘に上るとアヒル?のパペットショーも愉快だ。

ブラックの少年達によるアクロバットショーもたまに見ることができる。ヒップホップをバックに流して、人の上をとびこえる。ちょっと言葉では説明できないが、とにかく凄い。

ブレークダンスは、タイムズスクエアの駅で一番よく見かける。ブレークダンスはブラックの子供達の古典芸能に近い域に達しているといえよう。

締めくくりに、ハーレムのパフォーマーはアフリカンドラマーが大部分を占める。彼らは金を要求してなくて、仲間内で演奏を楽しんでいるだけだ。ハーレムの公園では朝から晩までドンドコドンドコピーヒャララなのであった。

カリビアンのスチールドラムの演奏も美しい音色である。しかし、彼らはLazyな国民性からか、カーニバルの直前しか練習しない。

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