バーンズアンドノーブル

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第三十一号 02/20/2000

Harlem日記

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********バーンズアンドノーブル*********

*日本在住の読者の皆さんへ、バーンズアンドノーブルとは本屋さんである。

日本にもこういう本屋があるのだろうか?図書館のように売り物の本をテーブルに持っていって読む。読んだ後は置きっぱなしでもOK。

この本屋とスターバックスは抱き合わせで商売してて、コーヒーを飲みながら本を読むこともできる。本の好きな人間には格好の暇つぶしの場所である。時にクッキーをポロポロ本にこぼしてしまうこともあるはずである。

友人から聞いた話だが、ある取材で、どこまで店員からクレームが来ないか試したらしい。音楽をラジカセで聴きながらなどと、初歩的なことに始まり、しまいには、こてこての油ののったチャイニーズヌードルを持ち込んで食べたそうだ。だが、クレームはこなかった。

図書館だったら場所によっては居眠りも許されないNYなのに、素晴らしい場所である。

だが、さすがにあまりホームレスの方々の憩う姿はない。

私が、一番好きな店は、セントマークスプレースだ(今はクローズしているはず)。エスカレーターで2階へ上がっていく、何が気に入ってるかというのは、店内の設計だ。ギシギシときしむフロアーの古さがイワセナイ!古めかしい本屋で古書を探している気分になるノスタルジックがいい。といいつつPCの本売り場で、JAVAの本を探している私。

隣でうろうろしていた白人の中年男性が、「この本は初心者でもわかりやすいよ。」といくつかピックアップしてくれた。トラの表紙の本を手にとると、「これはぜーんぜん使えなかった。やめなやめな。」とぼやいていた。

リンカーンセンター付近の店(ここも2022年の今、あるのだろうか?)は、デートの際に利用する。二人で食事の後に暇つぶしに立ち寄り、本を探す。ここでは心理学、脳神経学コーナーがお気に入りである。一度この場所でアル中に関する本を彼に買わされたことがある。怖すぎて最後まで読んでいない。

流行りもの小説は、ロックフェラーセンター付近にある店。ここはペーパーブックなる小説を数多く揃えている。ちなみに私の好きな作家はAnna Quindlen.「One true thing」というメリルストリープがガンで死んでしまう母親の役をやった映画の原作者である。思ったとおり原作の方が映画より面白かった。

好きだといいながら2作しか読んだことないが、ニューヨークで育った彼女のNYに対する描写は興味深い。

日本でずっと好きだった作家は、ジェームズボールドウィンというハーレム生まれのゲイの作家。ちなみにフォトジャーナリストの吉田ルイ子さん(「ハーレムの熱い日々」作者)も推薦していた。

「アナーザーカントリー」という彼が原作の映画を大学時代に観たときに、なんて美しい映画なのだろうとルパートエベレットという俳優も男前で気に入ったのも相乗し、印象深かった作品である。

原作者が黒人だとは夢にも思わなかった。ヨーロッパの白人学生が主人公で男前しか登場しない、役者、背景とも、とても美しい、おすぎさんが鼻血をだしてしまうこと間違いない映画である。

ボールドウィンは、Frog(カエル)というあだ名を幼少期につけられて、コンプレックスの塊だったそうだ。それでも成績優秀で学校を出て、フランスに渡り、ゲイとして作家活動をやりながらしばらく過ごした後、やはり生まれ故郷のNYへ戻ってくる。NY大学でも教鞭を手にしていた人である。

ちょっと自分の世界に入りすぎたのでこの辺で。読者の皆さんで何か面白い本があったら紹介してほしい。

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