有田勝造(カツゾー)ありた かつぞう
Instagram Youtube Line 「眠れない夜のために☆」
北九州市生まれ→神奈川県→東京在住
作詞作曲家・音楽プロデューサー
1990年 音楽活動を始める
1991年 ちびまるこちゃん「ここが日本だよ王子さま」で作曲家としてデビュー
CANNON「IOS5」(’92)で河合敏彦監督と出会い、以降主にCM音楽を中心に作曲家、プロデューサーとして活動
主な作品
コカ・コーラ、SONY cp-LAB、カネボウ「洗顔物語」、資生堂「アペリオ」、花王「ソフィーナ」「エモリエール」「美白」、 ジョンソン&ジョンソン「デンタルH」、ジャスコ「ザ・バーゲン」、高島屋「ダルメシアンティー」、NICOSカード、カネボウフーズ「減肥茶」、 CANNON、SHARP「冷蔵庫むだはぶ庫」、UHA味覚糖「チャル」、日本石油JUSCO、大原簿記専門学校など
2022年8月 ポッドキャスト「眠れない夜のために☆」 を開始
しゃけ:
ポッドキャスト「眠れない夜のために☆」聴かせていただいています。全身を包み込まれるような安らぎの心地よい眠ためボイス!毎回オリジナルの歌まで歌ってくれて。新しいエンターテイメントですね。
カツゾーさん:
そう言っていただけると嬉しいです。リラックスできるというとスピリチュアル的な音楽と想像されがちですが、そういうものではなくて日常の中でリラクゼーションを感じてもらいたいと思って作っています。
友達に「なんだか眠たくなる声しているね」と言われたのがきっかけで作り始めました。自分としては一生懸命しゃべっているんですけどね(笑)10年以上前からポッドキャストをお願いされていたのですがSNSがすごく苦手なのでなかなか始められなかったんです。でもコロナ禍にクラブハウスという音声SNSを使って新しい世界を知りました。
「眠れない夜のために☆」では毎回一つテーマを決めて、調べたことや自分の思いをまとめてしゃべって、自分で作った歌を歌って、みなさんからのお便りを読んで、ラジオ番組のように仕上げています。
時々、眠ることがあまり大切にされてないように感じる時があるんです。つらいことや悲しいことがあっても寝なきゃいけない。楽しくてずーっと起きてたくても寝なきゃいけない。睡眠ってもっともっと大事なはずなんです。
俺は猫と同居してるんですが、猫の空太は一日のほとんどを寝て過ごしてる(笑)
ずっと寝てるって生きてる時間がもったいないことなのかな?起きてる時間を充実させたくてエンタメはどんどんスピーディーになって高刺激になる。もうそういうのはいっぱいあるから、心が落ち着かない時とか、誰かと触れ合いたいけど一人でいる時、そして夢の中に入る前のひと時を、目を閉じたままでOKな新しいエンターテイメントと思っていただけたら嬉しいです。
それに一日中目を使っているときっと相当疲れてますから。
しゃけ:
うんうん。私の特技は昼寝と夕寝をしても夜眠れることです!(12時間睡眠!)
猫の空太くんのお写真ありがとうございます。
ポッドキャストで量子力学のお話もされていたから、相当な読書家なんだろうな、と思いました。音楽もとても独特ですね。
カツゾーさん:
読書好きですね。番組の中で15分くらいその日のテーマの話をしますが、10倍くらい話せる時間を下調べにかけています。調べだすと止まらなくなる(笑)
音楽はなんだかわからないけど聞こえているな、っていうのも魅力の一つだと思っていて、できるだけ自然なものをと思っています。手作り料理を友達に作るときのような気持ちです。
実際友達を招いて手作り料理を食べてもらうのも大好きなんです。相手の喜ぶ顔を考えながら作る時、一緒に楽しい時間を過ごしたあとに洗い物をしている時、全部の工程が楽しいです。
音楽を作るときもそんな感じで、誰かに喜んでもらえることが自分の喜びですね。
しゃけ:
カツゾーさんの手作り朝食のお写真(上)おいしそう!子供のころの夢は何でしたか?
カツゾー:
夢と言えるかわからないけど、映画監督になりたいなと思ったことはありました。幼稚園児の時に「大脱走」を見て主役のスティーブ・マックイーンに衝撃を受けました。
彼は映画の中で絶体絶命というシーンや怒りがこみ上げるようなシーンで、ニコっと笑うんです。「なぜ笑うんだろう?なんで怒らないんだろう?」って見終えた後ずーっと考えていました。とりあえずその時思ったのは、怒りや悲しみは一時の感情だけど、生きていくって次がある。そんな笑顔なんだと思って、これからはどんな時もちゃんと笑おうって、子供心に決めたんです。笑顔といえば、最近だと映画「LaLaLand」でも最後のシーン、ライアン・ゴスリングの笑顔も最高です。
しゃけ:
笑顔にこだわりがあるとおっしゃっていたのはそこだったのですね。わかります!辛い時の笑顔、かっこいいですよね。では、カツゾーさんは泣くことはないですか?
カツゾーさん:
ははは。実際は転校するたびに泣いていました。学生時代は転校することが多くて、毎回泣きましたね。せっかく友達と仲良くなったのにまたお別れか、って。両親を早くに亡くしているから、友達は家族のようにとても大切なんです。スヌーピーの漫画「ピーナッツブック」も家族という感じで、眠れないときにはずっと読んでいました。ちょっとひねくれている主人公にも癒されたりします。
しゃけ:
スヌーピー癒されますよね。どうやって音楽の世界に入ったのですか?
カツゾーさん:
昔から身体を動かすのが好きで、ボクシングをやってる頃は毎日ロードワークといって結構な距離を走るのですが、その時にリズムのあるダンスミュージックなんかを聴いていて、そんな感じで音楽に親しんでました。
そしてボクシングを辞めることになって、色んなやる気を無くしていた時に、たまたま見たテレビでコンピューターで音楽が作れることを知って始めた音楽が、いろんな方々との出会いのおかげで仕事として成り立つことができました。
しゃけ:
ギターやピアノで曲を作るのではなく、最初からパソコンなんですね?
カツゾーさん:
仕事を始めた頃は譜面も読めない、楽器もまともに弾けない、そんな俺を音楽にずっと真剣に携わってこられた方々が、怒りもせず、時にはアドバイスをくださったりしながら支えて頂きました。
大した才能もない自分が、こうやって今でもCMなどの音楽制作に関わっていられるのは、当時の若くて何も分かっていない俺を支えたり励ましたりしてくださった方々がいてこそだと思います。
しゃけ:
カツゾーさんの周りには常にみんなが集まってくるという感じがします。
カツゾーさん:
出会った方々から本当にいろんなことを教えて頂きました。どんなことがあっても、自分が好きなことをして生きていけていることはとても幸せなことです。
チャーリーチャップリンの「Smaile」という歌がずっと好きなんですが、チャップリンの言葉の「遠くから見れば喜劇だが、近くから見れば悲劇である」に影響を強く受けています。
遠くから見れば嘲笑うような出来事も、その人の近くにいて、その人のことを良く知っていれば、簡単に笑えないということはよくありますよね。誰にでも様々な思いや、悩みはあるのに見かけだけで人を判断して馬鹿にして笑う人はちょっと苦手です。
自分の関心のあること以外はどうでもいいという人がたまにいるんだけど、俺はすべてのことに「誰か」が介していると思っているから、すべての人に感謝しています。今俺が使っているこの机も30年くらい使い続けているんですが、量産されたものだから誰が作ったのかはわからない。でもその誰かにずっと感謝しているんですよ。だからどんな人にも優しくすることって当たり前だと思っています。
しゃけ:
なるほど。人が大好きなんですね。これからの夢はありますか?
カツゾーさん:
ポッドキャスト「眠れない夜のために☆」は仕事ではないですが、ライフワークとしてずっと続けていきたいですね。
聴いて頂いている方が健やかでいてほしい。日々の疲れや、いろんな悩み事から解放されたり、息抜きができる時間であってくれたら…そんなことを思いながら作っています。
あとは言語学が面白くてずっと勉強中です。言語のなかの「音」、あ、い、う、え、お、ぱ、ば、ぼ・・・一つ一つの音の中に人類共通の「感じ方」があることに注目しています。奥が深くて難しくてこれから何十年も取り組める課題だと思っています。
しゃけ:
それは興味津々です。ぜひ「知識で遊ぶ」でも引き続き聞かせてください!
カツゾーさん:
ぜひよろしくお願いします。
カツゾーさん×しゃけ 音声インタビューはこちら(クラブハウス)
ポッドキャスト「眠れない夜のために☆」