オンリー・ワンのダンサーとして夢を追うケイト

ケイト(伊藤恵渡)は日本でケミストリーや西野カナなどメジャーな歌手のバックダンサーとして活躍していたが、ニューヨークに来たのはアメリカのアーティストのバックダンサーとして、誰とも似ていない、個性的なダンサー、オンリー・ワンを目指しているからだという。

「アメリカで最初にダンスをしたのは、2011年。ケミストリーさんが『鋼の錬金術士』の主題歌を歌っていたので、ボルチモアにある幕張メッセみたいなところで行われたアニメコンベンション『OTAKON』にゲスト出演したときに同行しました。その後、MTVのお仕事がニューヨークでもあったので、そちらにも同行させていただきました」

ケミストリーのバックダンサーは2012年に終わったが、ニューヨークに来たことで沸々とアメリカのアーティストのバックダンサーもやってみたいと思うようになった。
「2014年に西野カナさんのバックダンサーのオーディションを受けたとき、これに落ちたらニューヨークへ行こうって思っていたのですが、受かってしまったので、じゃあもう少し頑張ろうって思って自分が32歳になるまでライブに同行していました。ですが、アルバイトでもなんでもいいからニューヨークで暮らして、ダンスをするのだというモヤモヤしてたものが爆発したこともあって、めざましテレビのライブを最後に、ニューヨークへ渡りました」

☆☆☆

小学生のころから出前に行って老舗の蕎麦屋を手伝っていたにも関わらず、ケイトが音楽に興味をもったのは、幼少のころバイオリンを習っていたことからだろうか。歌手になりたいというのは幼いころからの夢だった。それと同じくらいに強く、アメリカのアーティストのバックダンサーになりたいという夢もあった。

「ニューヨークに憧れをもったのは、父の影響もあったかもしれません。父は若いころにベーシストだったのですが、ニューヨークで演奏することが夢で、母と 結婚する前にビザをとってニューヨークへわたり、ジャズクラブで演奏をしていました。母の実家は、130年ほど続いている老舗の蕎麦屋で、母と結婚するため父はスッパリ夢を捨てて日本にもどってきました」

ダンスをはじめたきっかけは、ジャネット・ジャクソンを中学2年生のときにコンサートで見たことだったという。

「ジャネット・ジャクソンのステージを見て、自分が目指すのは、このショービジネスの世界だと漠然と思いました。子供ながらに踊りはプロにレッスンしてもらったほうがいいと思ったのですが、2000年ごろは今のようにスタジオが簡単には見つからなくて、ようやく見つけたのは横浜にある怪しげなスタジオでした」 次第に、黒人の米兵がたくさんやってくる横浜のクラブ「サーカス」や、ベイブリッジ付近にあるクラブ、元町商店街にあるクラブ「ロゴス」などへ通い、ダンスを学ぶよりも実践で鍛えていった。

「18歳のころ横浜スタジアムに『ピュア』という外国人がいっぱいいるクラブがあったんですが、そこがショータイムデビューでした。ダンスのチームを組んで、横浜のあちこちのらクラブでショータイムをやってるうち、売れるために東京のクラブにも出始めました。そうしているうちに友達も増えていきました。 横浜の関内でボーイのバイトをしながらダンスを続けていましたが、ダンスでお金をもらえるようになったのは、レッスンを始めるようになってからです。知り合った先輩などに、レッスンの代行をやってくれないって言われるようになったので、21歳のころから始めました」

☆☆☆

「ニューヨークへ来てよかったことは、自分が20代のころに憧れていたジャネット・ジャクソンやブリットニー・スピアーズの振付師をやっていたレジェンド的なダンサーのレッスンが受けられることです。日本では彼らのレッスンを受けることは不可能なので、自分が死ぬまでにやりたいことの一つをクリアーできました。これからやりたいことは、幼いころからの夢でもあった、アメリカのアーティストの世界ツアーに出ることです」 ケイトは、ダンサーとしてオンリー・ワンを目指し、ニューヨークでダンスを続けている。<敬称略  取材・執筆: ベイリー弘恵 取材協力;TMH Dance LLC>

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください