『ニューヨークぴんぼけエッセイ』-コロナから始まった今と未来-著者・河野 洋さん、写真・森田統明さんにインタビュー!

河野 洋 Hiroshi Kono Instagram
名古屋市出身、1992年よりニューヨーク在住
文筆家・クリエイティブ・プロデューサー

2003年 Mar Creation, Inc.設立
ソロアルバム2枚を発表(Mar Project)
2012年「ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト」 主宰
よみタイム」で連載コラム『オンガク喫茶』開始
音楽アーティストのインタビュー記事を手掛ける
2020年 新聞『羅府新報』でエッセイを開始
2021年 「シカゴ日本映画コレクティブ」主宰
トルコ在住の画家アヤ・マーレーと「AYA-MARC.」を結成
絵画と詩のコラボ作品集「飛翔天海」と「IZUMO 新波」など28作品をリモートで創作
出雲市と名古屋市で個展を開催
2022年 短編ドキュメンタリー映画「守破離」 をプロデュース
『企業概況ニュース』でビジ ネスコラムをスタート
2023年WormBooks共同設立
2024年『ニューヨークぴんぼけエッセイ』-コロナから始まった今と未来-
(Independently published)出版 
今年の予定
べんてんや(名古屋のちんどんガールズ)とルート66中西部ツアー
ドキュメンタリー映画「サイレントフォールアウト」米国大陸上映ツアー
LAとNYでの劇場上映、日本映画祭アメリカツアー、アニメコンベンション、ミュージカル、ライブ音楽イベント、舞台のイベントを手掛ける

森田統明(もりたとうめい)
大阪府出身 1989年よりニューヨーク在住
Yomitime, Inc代表・ライター・エディター

ニューヨークで貿易会社に勤務(ファッション関係)
フリーライターとしてファッション、街情報、旅行関連の記事を執筆
アーティスト、俳優、映画関係者のインタビュー多数
長年に渡りゴルフ場紹介を連載。NYC近郊ゴルフ場の多くを制覇した
2023年WormBooksを共同で設立
2024年『ニューヨークぴんぼけエッセイ』-コロナから始まった今と未来-
Independently published出版 (写真担当)
ライターとして取材を進めるうち、写真の面白さに目覚め、特に街角の何気ない風景の一瞬を切り取ることに努めている

しゃけ:
河野さんお久しぶりです。(前回のインタビュー記事はこちら)いつも映画や監督へのインタビューでご紹介いただき感謝しています。
この度は『ニューヨークぴんぼけエッセイ』-コロナから始まった今と未来-ご出版おめでとうございます!
お二人とも30年以上ニューヨークでお暮しなのですね?

河野さん:
はい。32年ですね。

森田さん:
35年です。

しゃけ:
すごい!日本にいる時間よりニューヨークにいる時間の方が長いのでしょうか?ご出版にいたるきっかけを教えていただければ嬉しいです。

河野さん:
はい、そうなります。ニューヨーク滞在歴を足すと67年という二人です。『ニューヨークぴんぼけエッセイ』-コロナから始まった今と未来-と、副題にもあるように、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)という世界的なパンデミックが起きた時の、特殊な「非日常」を綴ったエッセイを集めました。

コロナ禍は世界的に暗いニュースでしたが、そこで生まれた言葉たちに光を当ててあげたいという思いで取り掛かったプロジェクトです。

森田さん:
今回の本ではロックダウンでゴースト化した街の写真を使っています。
感染症と共存した「with コロナ」時代を切り抜けて今があるわけですが、コロナ時代のことはもう忘れ去られてきていると思います。ロックダウン中には珍しい光景に出会いました。貴重な記録として形に残しておきたいとの思いで出版に至りました。

コロナ禍の経験・影響とともに生きる現在の「postコロナ」時代。生活環境や価値観が変化した今、あらためて当時を振り返りたくなったことがきっかけです。

しゃけ:
なるほど、興味深い!観光旅行では見れないNYの姿が見られるわけですね。

森田さん:
そうですね。特にコロナ禍の街角は特殊な雰囲気でしたから。NY在住者でも気がつかないようなニューヨークの一面、見たことのない風景だと思います。

河野さん:
ある意味、コロナ時代に生まれた子どものようなエッセイです。子どもを舞台に立たせるような気持ちなので、一人でも多くの人に読んでもらいたいです。
『羅府新報』で掲載されていたものなので知っている方もいらっしゃると思うのですが、まだ僕のことを知らない方にはもちろん、過去に僕と時間や空間を共有したことがある家族、友人、知人たちには特に読んでもらいたいと思っています。

しゃけ:
そうですね。コロナ禍で帰国した方も多かったでしょうし。ニューヨークでコロナ禍を生き抜いたお二人でないと作れない本ですね。日本に帰りたい!と思ったことはないですか?

河野さん:
帰りたくなったら、迷わず帰ります。僕にとってニューヨークは玄関という感じで世界中を飛び回っています。ここは、スタート地点であり、戻ってくる場所という感じですね。

森田さん:
あまり知られてませんが、在住40〜50年のお年寄りたちが、「老後は日本で」と帰国された方たちは結構いますよ。帰りたくても年齢的な諸事情で帰れない人が多くいて、結構な問題になりつつあります。

私も正直、帰りたいと思うことはありますね。やはり日本に比べると大小さまざまな人種差別が横行して治安が良いとは言えない街です。

でも街角アートはやはりニューヨークが一番でしょうか。建国200年余りの新しい国なので、ヨーロッパの都市のように長い歴史を感じることはできませんが、「モダンアート」に触れることは日常茶飯事です。そういう思いがけない出会いはやはり楽しいものです。

今の日本の雑誌などでは、「時代の先端を行くのはブルックリン」というような解釈が見受けられます。

NY在住者にすれば、NYの街情報、現在直面する経済問題や生活環境の実態、それらの情報に対して皆無にも関わらず盲目的な「ブルックリン推し」は如何なものか、と思うことがよくあります。そういう人たちに、NYが歩んできた歴史、育んできた文化を踏まえ、日本では経験出来ない、日本人の知らない人種間や宗教間の問題を理解した上で、新たな一面、そしてNYは自分が知るよりもっと広いんだ、ということを知って欲しいです。

しゃけ:
うんうん。私もいつかニューヨークへ行ってみたいです!(ここで10年以上記事を書きながら行ったことがないしゃけ)「自分の本を出版してみたい!」という方をサポートするお仕事もされているのですか?

河野:
2023年にYomitime Incとの共同プロジェクトで「WormBooks」という出版サービスを始めました。一人ひとりの思いを大切に作家の立場になって、面倒な作業を代行サポートする出版サービスです。

人間の創造力は素晴らしいと思いますが、その才能を見出してくれるのは、他の誰かだったりします。そんな才能を一冊の本(紙本とデジタル本)にして世界中の人たちに届けるお手伝いがしたいです。

そこから将来、芥川賞作家やミリオンセラーが生まれるかもしれない。そう考えると夢が膨らみます。故黒澤明監督がおっしゃっていたことだと思いますが、1日1ページ思いを書き留めていけば、1年経った時、365ページの一冊の本が完成する。人間の創造力は無限。可能性をゼロから1にする出版社を目指します。

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