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第四十号 03/26/2000
Harlem日記
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******ブロンクスズー(動物園)******
いよいよNYにも春 ! コートを脱いで外へと行楽の季節がやってきた。日本だったら、お花見で一升瓶を抱えて酒を飲む場所を探している私のはずだが、NYだと屋外で酒を飲めないのがわびしい。
子供づれの行楽といえばNYでも動物園や遊園地。
私は、ずいぶん前になるが、どうしても動物がみたくて、ブロンクスズーに行った。(日本にいた頃の私のシングルライフは横浜の野毛山動物園と共にあった。あのこじんまりした動物園で動物をスケッチしたりしたものだ。)
さてこのブロンクスズー、動物は大自然に生きるのが一番だと信じる彼(今の主人)を無理やり連れて行ったのだが、最初から最後まで文句の連続だった。
※注…今からブロンクスズーへ行こうと思っている方はげんなりするので、ここで読むのをやめてください。
※参考…ブロンクスズーはとっても広いので地図を見て、どの動物を見るかコース決めるべし。デートにはもってこいの場所。でも、園内でも人気がない寂しい場所とかって危なくないのかなーと不安がよぎる。
鳥のいるセクションにたどりつく。
「人間に飼われてる動物なんか見てどうするんだ。」
とドライブしている頃からぼやいていた彼、さーて、彼のコンプレインが始まった。実況中継しよう。
「屋外で自由に飛んでる鳥はグリーンカードを持ってるんだ。ワーキングビザで働いてる奴は籠に入って働かなきゃ食っていけないし、自由もない。」
確かに綺麗で珍しい鳥は、籠の中から寂しげな目をしてこちらを見た。空を飛ぶ、スズメやカモメはそ知らぬ顔で優雅に飛びまわっている。
つるがいた。
「君と同じジャパニーズだー。かわいそうに…こいつもう日本には帰れないんだぜー」屋外にいるつるはちょっと泥で汚れて、つるの恩返しにでてくる、つるのイメージとはかけ離れていた。
キリンを見て、
「なんであいつらはあんなに背が高いのに、あの掘りを飛び越えてこないんだろう?俺があいつだったら、掘りを飛び越えて、ここの公衆電話でデルタに電話して、アフリカ行きのチケット一枚予約するのに。」
ラクダを見て、
「禿げー!ストレスで禿げてるんじゃないのか?禿げ方が普通じゃないよ。」
白人の親子が枝につかまるレッサーパンダを見ていた。
「とびつけ!そこだー!そいつの顔に飛びついてやれー」と彼はレッサーパンダへメッセージを送った。
最後に爬虫類のセクションを回る。皆さんの予想通りの答えをここで、
ヘビに対して「ベルトが動いてるー」
ワニに対して「新しい財布がそろそろ欲しいー」
客観的にみて、日本の動物園より自由な空間が多かった。だが動物はそれでも不満だろう。
ブロンクスズーの動物は、彼らを見にくる人間に対して、日本にいる動物より、もっとストレスを感じてるかもしれない。多民族なNY。人種によって動物に対する行動パターンがかなり違うだろうし。交わす言葉だって違うのだ。
という訳で、NYで動物園に行くことは、今後、生涯ありえないかもしれない。
(その後、子供たちが生まれてからは、ママ友と子連れや、一人で3人の子を連れて行ったりしたし、レイも何度か一緒にブロンクスズーへ行った。人の近い将来なんて誰にもわからないってことだね。)
