布袋寅奏のライヴが11月14日にHighline Ballroomで行われた。ニューヨーカーの夜遊びスポットともいえるミートパッキングエリアにあるライヴハウス。ポール・マッカートニーやスティービー・ワンダー、レイディー・ガガもここでライヴを行ったことがあるという。
会場前には布袋の演奏を楽しみにしている客たちが行列となっていた。ライヴが始まる前から、熱気ムンムン。会場はいつの間にか満員となり、いよいよ布袋が登場。ギターをうならせると、客たちは布袋マジックで石にされたように音の中に入っていった。2階席では招待客たちもノリノリ、座っていられないといった感じで立ち見となり声援をあげる。
完璧なギターの音は、もはやテクニックのうんちくを語ることさえできないサウンド。まるで精密な機械をマイクロスコープでのぞきながら組み立てているエンジニアのようだ。ここまで精密ともいえる音を私はかつて聴いたことがない。
キーボードやシンセサイザーを操るのは、TKOの岸利至。坂本龍一、The Alfeeほかライヴやレコーディングにも参加している。
ドラムにはデヴィッド・ボウイの最新アルバムに全面参加したザッカリー・アルフォード、ベースにはジョン・マクラフリンやハービー・ハンコックほか上原ひろみとの演奏などジャズの世界で名だたるベーシスト、トニー・グレイ。欧米で培われたサウンドが加わると、布袋の音楽に幅がでる。
アメリカで活躍中の女優でモデル、中鉢明子らも会場へ駆けつけた。「とても演奏が素晴らしかった」と語った。同ライヴハウスほかで長年フォトグラファーとして活躍しているディノは、「まるでサンタナの再来だね」とステージを楽しんでいた。デービッド・ボウイの関係者から誘われたというジェイソンは、「ステージは最高だよ!」と同席していた女性たちと音楽を聴きながら盛り上がっていた。
布袋が手掛けた映画「キル・ビル」のテーマが演奏されると、会場はさらに湧きあがった。
アメリカで最初のステージとなったニューヨーク。布袋は現在ロンドン在住だというが、「日本での演奏を続けながらも、今後はヨーロッパやアメリカで活動の場を広げていきたい」と語った。