上妻宏光のソロデビュー25周年NY公演「NAMA-ITCHO！」

生音で挑む、三味線の新しい可能性 ― 2025年11月15日、ニューヨーク公演決定

三味線奏者・上妻宏光（Hiromitsu Agatsuma）が、ソロデビュー25周年を迎え、全国で特別企画NAMA-ITCHO！が開催される。。

電子機器を一切使わず、“生の音”だけで構成されたプログラムが各地で話題を呼んでいる。

そして2025年11月15日、ニューヨークでの公演が決定した。
独自の表現で世界を舞台に挑み続ける上妻さんに、この特別なステージへの想いをうかがった。

１．今回ニューヨークで演奏できることとなり、どのような気持ちですか？

これまでソロコンサートや自分のバンド編成、矢野顕子さんとの公演をしてきましたが、生音を伝える公演は久々なのでとてもエキサイトしています。

電子機器を通さずに“音そのもの”で勝負する上妻さん。
その言葉からは、原点回帰への熱意と、海外の観客に本物の音を届けたいという情熱が伝わってくる。

私はこれまで、吉田兄弟のコンサートで会場を埋め尽くすアメリカの観客を何度も目にしてきたこともあり、三味線の響きが国境を越えて多くの人々を魅了していることを実感する。

上妻さんの生音によるステージも、きっと同じように観客の心を震わせるに違いない。

２．ニューヨークの観客に一番伝えたいことは？

三味線の古典の良さと可能性を伝えたいと思います。

ニューヨークの多文化な観客に向けて、日本の伝統音楽が持つ深い魅力と新しい表現を届けたいという上妻さん。

30年近くニューヨークに住んでいる私も、日本の古典こそが、光るものだと実感する。音楽はもとより、日本の文化や芸術に至るまで、古典こそが、日本のチャームポイントである。

３．今回のプログラムを選んだ理由やテーマは？

本来の三味線音楽と現代的アプローチの三味線音楽のふたつの魅力を聴いてもらいたいです。

４．世界の舞台で三味線を演奏するとき、どんな挑戦や工夫がありますか？

世界だからといって特別普段やっていることとは違いはありません。国内でもこの楽器の様々なトライをし続けているので、それが日本であろうと世界であろうと違いはないですね。

５．ニューヨーク公演に向けて特別に準備したことはありますか？

今回、ゲストにチェロ奏者の玉木光さんを迎え、三味線とチェロというなかなか聴くことの出来ない編成での楽曲も準備しています。玉木さんとは初共演となりますが、今からとても楽しみですし、和楽器と西洋の楽器の特別な響きを楽しんでいただけると思います。

ニューヨークを代表するチェリスト、ヨーヨー・マ（Yo-Yo Ma）さんのコンサートは、いつもチケットが即完売となる。ニューヨーカーにとって、チェロは音楽の中に欠かせない存在なのだ。

日本の三味線と西洋のチェロ、和の伝統と洋のクラシックで異なる背景を持つ二つの弦が織りなす音の対話は、今から楽しみである。

この公演でしか聴くことのできない、唯一無二の響きがニューヨークの夜に広がるだろう。

６．これからも海外公演を続けたいと思いますか？その理由は？

続けたいですね。異文化交流はとても素晴らしいと常々思っているので、もっともっといろんな国の人達と交流したいと思っています。