宝塚(宝塚歌劇団)のニュースで持ちきりの今、男役を宝塚で14年演じてきた女優の漣レイラさん、この冬に舞台「田園ユニバース2」に出演予定のダンサーの平川美代子さんらとトシ・カプチーノさんのNY追加公演を鑑賞。
相変わらず安定の歌唱力と笑いで会場をわかせるトシ・カプチーノさんのショーはとても楽しいものだった。
私は奥村チヨさんを知らないって思っていたのだが、音楽が始まると、「あぁ〜知ってる!」ってなる懐かしの曲。しっとりとした低音の魅力を見せつけるようにトシ・カプチーノさんが歌い上げる。そういえばチヨさんの歌は、お掃除しながらなぜか鼻歌で歌ってしまうリラックスソング。
選曲も素晴らしくて、トーク中に客との対話もあり、スタンダップ・コメディアンレベルの返しで笑いの渦はやまない。挙げ句には、アドリブで前列に座っていた客のヴィトンのハンド・バッグを持って歌うなど、これでもかってくらいに笑わせてくれる。
トシ・カプチーノさんが客席を回っている時、レイラさんの前に立ち、彼女の素敵な笑い顔に気づいたようで、「あなたくらいのキレイな歯並びならば、アメリカでやっていけるわよ。」と、歯並びさえも笑いに変えた。「素敵なファッションね~」って褒めながらの、「H&M?」ってオチも最高。
なにより度肝をぬかれた演出は、舞台裏がないため客の前で衣装替えを行った。オレンジ色のロングヘアのウィッグをバッ〜っとはずしたところで、観客がどよめいた。上下黒のピッタリした服にきらびやかな打掛を羽織った。
ターバンのように頭を赤い布で巻いた横に、パートナーの黒子さんに提灯をつけてもらう。「この提灯をつけるのがとても難しくて、いつもリハーサルするのよ。」って、衣装替えのときにもトークは止まらず、笑わせる。
今回のショーは、ミッドタウンのグランド・セントラル駅近くにある音楽&ダンス用のスタジオだったので筆者もさすがに酒を入れてなかったのだが、シラフでも楽しめるショーなのだと再認識できた。
数曲は英語も交えて歌った。ラストの島倉千代子さん「人生いろいろ」を英語で歌い、その後に日本語で歌う。日本語のわからないアメリカ人客も、楽しんだようだ。
ブロードウェイの舞台評論家としても活躍中のトシ・カプチーノさんなので、日本のジャニーズ事務所の不祥事がすっぱ抜かれたことに関しコメント。これから先は、ジャニーズの力を借りて売れていたスターばかりでなく、日本でダンスや演技の実力ある若いスターが育っていくことを期待しているのだとか。
還暦デビューしたトシ・カプチーノさんのショーは、昭和を生きてきた私たちに、これからも夢と希望を与えてくれる。すでにあちこちから引き合いがあり、全米公演に向けて、ますます活躍の場が広がるようだ。
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