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第二十五号 02/02/2000
Harlem日記
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******ファッションその3*******
ファッションについて語る第三回目、読者の皆様もそろそろファッションネタにも飽きたころではないだろうか?
今回はブラックのファッョンについての考察である。
代表はFubu、Tommy、Meccaというカジュアル。FubuはNYクイーンズが発祥の地らしいが、中国産のコピーがそこいらじゅうに出回っている。ちょっと前にブラックの兄ちゃん誰もが制服のように身につけていたBearのダウンジャケットもやはり中国産コピーがあって、襟元についている2匹の熊の刺繍がちょっと胴長の熊になっているのが特徴である。
激寒のNYで最近気づいたのだが、ブラックの人々の帽子をかぶっている比率が他の人種の帽子をかぶっている比率より高いということである。
NYヤンキースのロゴのはいっているニット帽なんてブラックのおやじがそこいらじゅうでかぶっているのを目にする。そういう私もかぶっている。親戚を観光案内している際、あまりの寒さに購入してしまい。特にヤンキースファンでもないのであるが若い兄ちゃんから「ヤンキースファンか?」と聞かれてしまうので「もちろん」と答えている。
ブラックのおばさんたちも赤やら黒やら茶色やら、といった厚手の帽子を深々とかぶっている。だからハーレムにはそういった色々なデザインの帽子がたくさん売ってある。教会へ行く際には必需品のようである。
夏には夏の帽子が売っているけど、日本でかぶると、ちょっと恥ずかしいようなピンクやら黄色のでっかい花がついていたり、鳥の羽みたいなのがフワフワとついていたり。ハーレム在住のおばさんたちは、この派手な帽子を上手に正装に取り入れる。
以前、彼の弟が、「カウボーイハットが欲しい」という話をしていて、「カウボーイハットなんてNYには似合わないよーあれはテキサスだけなんじゃないの?」と言葉を返したら、
「僕の友達は黒い厚手のコートにカウボーイハットをかぶって、さっそうと現れるんだ。クールだよ。」
「へー。でも、さすがにバイクに乗ってるDaveには似合わないよー。ちょっと雰囲気っていうかさー」
「バルルンとバイクのエンジンを止めてメットを脱いだら、カウボーイハットにかぶりなおす。そして都会の雑踏へ…うーん、とってもクール」モデルばりに男前の彼は、大きなジェスチャー入りで熱く語った。
「そうかなー?」
そしてある日、とうとう見てしまった。
シャークバーという黒人専用のバーみたいなのが、リンカーンセンター付近にある。
ちなみに、ここにはビジネスマンな上品な兄さんがたまってる場所なので、「Hey Lady! What’s Up?」などといって気安くナンパしてきたりしない。そのバーカウンターでちびりちびりとワイングラスを片手に飲む男。その頭には茶色のカウボーイハット。
だっさーい!という古語を口にしてしまいそうになった。
(というのは冗談で、これがなかなか絵になっていた。)
その後も何人かミッドタウンでブラックのビジネスマンがカウボーイハットをかぶっているのを目撃した。
だが、いったいあのカウボーイハット、NYのどこで販売しているのだろう?
