2013年E.R. Butler & Co. (55 Prince Street)にてJoji Kojimaの作品が展示された。
クールというのも今では古い表現だが、まさにその言葉がぴったりくるアーティストだった。
人に媚びることなく、飾り気のない言葉少ないタイプ。
作品を作ることだけに集中する毎日を過ごしているのだろうか。
常に何が美の究極なのかを追い求め作品をつくり続ける。
カッコいい!と叫びながら、思わずハグしたくなるくらいにカッコいい。
というのも、ニューヨークのアート作品が渦巻くエリアのど真ん中で、レイディー・ガガの名前を使うのではなく、自分の作品の力だけで勝負に挑むという潔さだ。その証拠に、ここにはレイディーガガのマスクと同じ作品も置いてなければ、彼のマスクの作品が使われている音楽アルバム「Fame Monster」の写真さえ展示されていない。
侍の魂は、Joji Kojimaのようなアーティストの手によりアートやジュエリーとして永遠に残り続けるのだと、改めて認識した。
木目金で作られた彼の作品を見ていると、まるで江戸時代に侍が手にした刀が浮かんでくるようである。彼の作品には、侍の魂が宿っているのだという気がする。
それよりもむしろ彼は、江戸時代に活躍した刀装具職人の血が少なからず流れているのかもしれない。
そうした刀装具職人の作品が世界の美術館で展示されているように、
おそらく彼の作品が、世界のメジャーな美術館で展示される日がくるのだろう。
【プロフィール】
アメリカ・カリフォルニア1987年生まれ。15歳から独学でジュエリーの制作をはじめ、多摩美術大学在学中に制作した「VEIL」をLADY GAGAがアルバム「Fame Monster」で着用したことをきっかけに世界中で注目を浴びた。2010年に自身のブランド「JOJI KOJIMA」を立ち上げた。東京、香港、パリをはじめ展示会を開いていたが、ニューヨークのショップオーナーよりオファーがあり2013年にソーホーにて個展を開いた。